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素核研WS「重い原子核と先端量子技術で探る基本対称性の破れ」を開催――素粒子・原子核・原子・分子分野の研究者が集い議論
2026年4月8日
3月18日から19日にかけて、理化学研究所仁科ホールにおいて素核研ワークショップ「重い原子核と先端量子技術で探る基本対称性の破れ」を開催しました。本ワークショップは、KEK素粒子原子核研究所と理化学研究所の共催により実施されたものです。約60名の研究者が参加し、「重い原子核」と「先端量子技術」をキーワードに、自然界の基本的な対称性がどのように破れているのかを探る研究の最前線が紹介され、今後の研究の方向性について具体的な検討が行われました。
近年、素粒子の基本的対称性の破れに関する研究は大きく進展しています。例えば、トリウム原子核を用いた原子核時計の開発や、原子核・原子・分子を用いた電気双極子モーメント(EDM)、シッフモーメント、磁気四重極モーメント(MQM)※などの精密測定が活発に進められています。特に、重い原子核の中には、通常の球形に近い形状ではなく、梨型に大きく変形した特異な形状を持つものがあり、この性質を利用することで、対称性の破れに対する感度が飛躍的に高められると期待されています。
本ワークショップでは、原子・分子・光分野で発展してきた先端量子技術と、重い原子核を用いたEDM探索や原子核時計研究を中心に、理論・実験の最前線で活躍する研究者による講演が行われました。また、今後の研究の方向性について、新しい実験対象や方法、理論的手法を踏まえながら検討が進められました。
参加者による研究紹介に加え、今後の研究の発展、とりわけ国内における新たな研究展開の可能性について意見交換が行われました。本ワークショップは、重い原子核と先端量子技術の融合による新たな研究を考える契機となりました。
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素粒子・原子核・原子・分子分野から集まった参加者たち
※用語説明
電気双極子モーメント(EDM)、シッフモーメント、磁気四重極モーメント(MQM):
粒子の中で電荷がわずかに偏っていることによって生じる電気的・磁気的な性質



