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所要時間:約2分

カロリーメータと合体したARICH検出器/<i class='fa fa-copyright' aria-hidden='true'></i> KEK IPNS

カロリーメータと合体したARICH検出器/ KEK IPNS

KEK筑波実験棟の地下4階で9月13日、調整を終えたARICH検出器が円形のカロリーメータと合体させる作業が行われました。20日にはクレーンで約15メートルの高さまで吊り上げられ、コンクリート製の遮蔽体を跨ぎ越し、BelleⅡ測定器の本体に取り付けられる予定です。

ARICH検出器は直径約2メートル、厚さ約25センチで、中央に穴の空いたドーナッツ型。空気を多く含む軽い固体であるシリカエアロゲルを輻射体に持ち、π中間子、K中間子がそれぞれ発するチェレンコ光の円錐形を、新たに開発したハイブリッドアバランシェ光検出器のスクリーンで計測する装置です。すでに本体に設置されたTOP検出器とともにπ中間子とK中間子を区別するための切り札として導入されました。

クレーンで吊られ、作業員に支えられるARICH検出器

クレーンで吊られ、作業員に支えられるARICH検出器

ARICH検出器は同日午後、天井からのクレーンで鋼鉄製の治具とともに高さ50センチほどに吊り上げられ、やはりドーナッツ型の電磁カロリーメータ(ECL)まで20メートルほどをゆっくりと移動。静かに合体させたあと、ボルトで固定する作業などが数時間かけて行われました。

カロリーメータ側から中に潜り込み、内側からボルトで固定する作業

カロリーメータ側から中に潜り込み、内側からボルトで固定する作業

ARICH検出器を担当する素核研の西田昌平准教授は「読み出し回路の調整に苦労し、組み立てから1ヶ月かかりましたが、ようやく設置する段階となりました。本体に取り付けた後も順調に働いてくれることを期待しています」と話しました。


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