欧州合同原子核研究機関 (CERN) の大型ハドロン衝突型加速器 (LHC) におけるATLAS実験に参加する共同研究者の会議 “The ATLAS Overview Week 2018” が6月11日、東京都新宿区の早稲田大学国際会議場「井深大記念ホール」で始まり、実験中のプロジェクトの成果や今後の計画などについて議論が行われました。ATLASグループの共同研究者会議が日本で開かれるのは初めてで、KEKや東大、ヨーロッパやアメリカの研究機関などに所属し、ATLAS実験に参加する300人以上の研究者が出席しました。
同会議は年3回開催され、ATLAS実験の成果や今後の方針などについて議論するものですが、これまで年2回はCERNで、残り1回はヨーロッパやアメリカなどで開かれてきました。日本を含めてアジアで開催されるのは初めてのことですが、背景にはプロジェクトに対する日本の貢献が大きいことがあると言われています。
11日午前、井深大記念ホールで開幕した会議には、梅雨空にも関わらず、多くの研究者が参集。冒頭、文部科学省素粒子・原子核研究推進室の轟渉室長から歓迎の挨拶があった後、ATLAS実験スポークスパーソンで独フライブルク大学のKarl Jakobs教授が講演。Jakobs教授は、「LHCのルミノシティは非常に高く、ATLASでのデータ取得も大変順調に推移しており、大変喜ばしい。CMSとともに、トップクォークの質量の起源がヒッグス機構と判明したことを発表するなど、多くの素晴らしい成果が得られていることを祝福したい」などとコメントしました。
共同研究者の会議は、LHCやATLAS実験について60人以上が次々にプレゼンテーションを行い、質疑応答を行う形で進められました。
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