活動報告

2022年6月の活動報告 : ニュートリノグループ

ニュートリノグループが2022年6月の活動報告を行いました。 ニュートリノグループでは、茨城県東海村にあるJ-PARC(大強度陽子加速器施設)でT2K実験をはじめとするニュートリノの実験研究を行なっています。T2K実験では、J-PARCで生成した大強度のニュートリノをJ-PARCから295km離れた岐阜県飛騨市神岡町にある巨大検出器、スーパーカミオカンデ(SK)に打ち込み、ニュートリノと反ニュートリノそれぞれで「ニュートリノ振動」と呼ばれるニュートリノが空間を伝わるうちに別の種類のニュートリノに周期的に変化する現象を測定します。そこから、ニュートリノのCP対称性の破れ(粒子・反粒子の性質の違い)の探索などを行っています。

 

T2K実験グループでは、2021年4月からニュートリノ前置検出器の⾼精度化を進めています。具体的には、オフアクシス前置検出器(ND280)を構成する⼀部の検出器を新型標的測定器(SuperFGD)、⼤⾓度測定⽤TPC(HA-TPC; TPCはガス検出器)およびToFカウンタ̶に置き換える計画を進行中で、ロシアにて製作・仮組みされた約200万個のシンチレーターキューブをJ-PARCに輸送中です。このキューブはSuperFGDの心臓部となる部品です。また、HA-TPCもスイス・ジュネーブ近郊にある欧州合同原子核研究機関(CERN)にて製作中です。2023年度初頭にND280アップグレードの完了を⽬指しています。

 

ニュートリノ前置検出器の⾼精度化と並行して、J-PARCニュートリノ実験施設ではビーム⼤強度化対応のための保守・増強作業もおこなっています。2022年5⽉からは外国研究機関の研究者によるJ-PARCでの作業を再開し、新しく設置する第⼀電磁ホーンへのビームプロファイルモニタ(OTR)およびニュートリノ⽣成標的の組み込み作業や、冷却能⼒を増強した新型第⼆電磁ホーンの最終組み⽴て作業などをJ-PARCで進めています。今後は新しい電磁ホーンなどの最終試験を実施したのちビームラインに設置し、2022年12⽉頃にニュートリノビームの調整運転開始を目指しています。

 

SKの装置を高性能化したハイパーカミオカンデ(HyperK)プロジェクトでは検出器を設置する場所へ繋がるアクセス坑道が完成し、その後の土木工事も順調に進んでいます。検出器で⼤量に⽤いる20インチ光電⼦増倍管の製造も進んでいます。

 

素粒子の標準理論にはない新しいニュートリノ(ステライルニュートリノ)を探索するJSNS2実験では、2022年5⽉末に、2020年からの蓄積データが〜2.8×1022 POT(Proton On Target; ニュートリノ生成標的に照射した陽子の数)となりました。

 

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