春のお彼岸も過ぎ、桜のつぼみも色づき始めました。つくばの風はまだちょっと冷たいですが、天気のいい休日、KEKの周辺を散策するにはいい季節になってきました。今日はKEK周辺の史跡巡りを趣味にしている末武聖明さんの手記をご紹介しましょう。
古墳がいっぱい
皆さん
KEKの周りを散策してみませんか。KEKの周り2〜3kmには数十の古墳、城跡、塚等の遺跡があります。例えばKEKの北に接している水守地区には4世紀後半築造の前方後方墳(水守桜塚古墳)などがあります。前方後方墳というのは前方後円墳に比べると数が少なくて、全国でも140例しか発見されていないそうで、KEKの周辺にある古墳の中でも一番古いものです(図1)。土浦市立博物館などの史料によると、全長30m、主体部は後方部墳頂下1mに長さ6.7mの割竹形木棺が確認されていて、副葬品としては、変形四獣鏡、直刀、輝緑凝灰岩菅玉、琥珀勾玉、輝緑凝灰岩石釧(いしくしろ)、ガラス小玉などが出土しているそうです。水守地区にはこのほかにも平将門(たいらのまさかど)時代の水守城跡などがあります。
またKEKの北1kmには全長48mの山木古墳(4世紀末から5世紀初頭の築造)が、南東2kmには全長約34mの前方後円墳が1基と、12基の円墳(6世紀頃)などがあります。
手始めに地図を手に入れよう
遺跡等は大きな通りではなく名も無い裏道にあります。車の通らない空気の良い場所にあります。地図が無いと歩けません。地図を片手にウォーキングをしてみましょう。手始めに地図を手に入れるためにつくば市大穂庁舎まで歩きましょう。
東大通りを下る
KEK入り口信号を渡ったところに国土地理院の水準点が歩道の隅に立っています。ここは標高21.8136mです。東大通り(ひがしおおどおり)をまっすぐ南に下ると病院の前には運送会社さんがあります。そこの手入れの行き届いた庭が大曽根大日塚古墳です。個人の庭なので断ってから見学させてもらったことがあります。古墳の頂上には石棺がありその石壁には大日如来像が掘られています。これほどきれいな古墳は見たことありません。
庚申塔
運送会社の反対側の病院入り口には新しくて立派な庚申塔が立っています。庚申とは十干十二支の57番目で60日または60年ごとに巡ってくる庚申(かのえさる)の日に営まれる信仰行事のことです。
国土地理院の三角点
大穂庁舎の窓口でつくば市の地図をいただいた後は、その地図をたよりにKEK南敷地の西側の小道を通ってKEKに帰りましょう。6万6千ボルトの高圧鉄塔沿いに小道を北上します。KEK敷地最南最西には国土地理院の三角点が立っています。ここは北緯36度8分38.1580秒、東経140度4分20.4559秒です。KEK南入り口の近くには前野大日塚もあります。
若森県庁跡地
KEKの西側には明治の初め若森県時代の県庁跡地があります。今は個人の果樹園になっています。若森県は僅か2年と5か月で新治県に統合されましたがこんな近くに県庁があったとは驚きです。まだまだいくらでもKEKの周りには遺跡があります。これから気候も和らいでウォーキングにはもってこいです。地域文化に親しみながら健康増進にもなります。さあ外に出てみませんか。
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