KEKキャラバン、7月は佐賀と東京に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。7月は佐賀と東京で実施しました。

大森恒彦講師による講演風景

7月16日(月)、佐賀県武雄市の武雄市文化会館で「ヒッグス粒子!?発見 特別講演会」(主催:佐賀県、九州大学・佐賀大学 ILC 推進会議)が開催されました。「国際リニアコライダーがひらく世界~ 宇宙をつかまえる~」と題する講演が行われ、一般の方225名が集まりました。

講演では、高校の物理で習う、運動を記述する基本方程式「運動方程式」を、講師がボールを投げる身振りを交えて解説しました。「ボール、自動車、惑星、月、木から落ちるリンゴなど、すべての運動がこの式で記述出来ます」と説明。惑星、月、木から落ちるリンゴまでもが同じ方程式で記述出来るのなら、宇宙全体も統一的に理解できるのではないかと述べました。また、物理研究を行う手段としての加速器を解説。欧州の大型ハドロンコライダー(LHC)の次の加速器として期待される国際リニアコライダー(ILC)と、そこで期待される「素粒子物理学の革命」について述べました。最後に、 ILCを中心として国際科学都市が出来ることへの期待を語りました。

講演後のアンケートでは、「『物理はごく単純な法則で未来を予言する』という言葉が印象に残りました」、「宇宙のために夢をかけておられるエネルギーを感じました。進展を願っています」、「とても楽しかったです。現在、学生ですが、いつかは先生方の世界にとびこんでみたいと思いました」などの感想がありました。

7月24日(火)~26日(木)、東京都の国立科学博物館で開催された「2012夏休みサイエンススクエア」(主催:独立行政法人国立科学博物館)において、「ノーベル賞装置:きりばこにチャレンジ」を実施しました。KEKの「サイエンススクエア」への参加は今年で5回目。KEKキャラバンの一環として、KEKの教員と職員を派遣しました。1日5回、3日間で15回の講座で179名が参加。岩手から山口まで、全国から集まった小学3年生~中学2年生の子どもたちが霧箱製作と観察に挑戦しました。

講義では、KEKが粒子加速器という大型の実験装置を使って、物質や宇宙が何からできているかを研究していることや、霧箱がノーベル賞を3つ受賞した実験装置であることを説明しました。

その後、霧箱キットを製作し、普段は目に見えない放射線の飛跡を観察しました。観察後には、霧箱で何が見えたかや霧箱の原理の説明を行いました。

保護者からは「今日はこちらを目的に参りました。ノーベル賞の装置を作れるのが楽しみでした。線が霧のように走っているのが見えて感動的でした」、「目で見て説明等を受けるよりも実際に自分で手で触って動かしてといった方が、興味・関心が深まると思うので、今回参加させていただいて良かったと思います」といった感想が寄せられました。

霧箱の説明中の様子

霧箱観察の様子

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