KEKキャラバン、8月は福岡、茨城、福島、岩手、埼玉に派遣

 

2012年9月28日

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。8月は福岡、茨城、福島、岩手、埼玉で実施しました。


講演中の藤本順平 研究機関講師

8月3日(金)、福岡県福岡市のギルドカフェで「光速で激突!~ビックバンの再現!神の粒子『ヒッグス粒子』を解析すると言われる人類史上最大の加速器ILCの核心にせまる」が開催され、一般の方23名が集まりました。

「宇宙の謎に迫る」と題し、素粒子物理学の基礎について講演しました。素粒子とは何か、素粒子物理学を研究する装置である加速器を使って、何がわかってきたのか、まだ分からないことは何なのか、まだ分からない宇宙の謎に迫るための加速器「国際リニアコライダー:ILC」の概要について説明しました。

講演後のアンケートでは、「人がこの世界をどのように理解しようとし、また多くの人の力と仕組みでその謎解きに挑んでいるかを知り、これから出てくるであろう発見を楽しみにしています」、「加速器をTVなどで見て興味があったので話が聞けておもしろかったです」などの感想がありました。


霧箱実習の様子

8月9日(木)、茨城県のつくば市立竹園東小学校で、PTAによる夏期セミナー「親子・みらい」セミナー6講座のうちの一つとして、霧箱教室を開催しました。小学1年生~5年生まで17人が、保護者と一緒に参加し、霧箱の製作と、放射線の観察実習を行いました。

アンケートでは、「ほうしゃせんがみえたことがおもしろかった」、「自分たちできりばこを作って見れるのがすごかった」などの感想がありました。


霧箱について説明する高橋一智 技師

8月17日(金)には、福島県相馬市教育研究会のメンバーである、小中学校の教員28名を対象に、「放射線の生体への影響と食の安全」と題する講演と霧箱の製作実習を行いました。

放射線を出す放射性物質の基礎的な性質、放射線の性質などを解説し、放射線について様々な角度から正しい見かたを出来るよう、放射線についての基礎講義を行いました。その後、霧箱を製作し、放射線の飛跡の観測。また、今回の原発事故で福島にどのような影響があったか、これからどのような影響が起こる可能性があるのかを解説。放射線のリスクと正面から向き合って生活できるよう、放射線に対して自分自身のリスクに対するものさしを持つためのきっかけとなるような講義を行いました。

講演後には、「放射線に対する考え方について多方面からの考えを知ることができた。リスクに対する『ものさし』は自分で持つことの大切さを感じた」、「今後、子供たちに放射線についての基礎知識をしっかりと身につけさせる必要があると感じた」などの感想が寄せられました。


講演中の大森恒彦 講師

8月23日(木)、岩手県北上市の生涯学習センターで、「リニアコライターが開く世界~宇宙をつかまえる~」と題する講演を行いました。一般の方120名を対象に、物理学とはどのような学問か、素粒子物理について解説しました。

物理の研究を行なう手段としての加速器を解説し、欧州合同原子核研究機関の大型ハドロンコライダー(LHC)の次の加速器として期待される国際リニアコライダー(ILC)とそこで期待される「素粒子物理学の革命」について説明。またILCを中心として国際科学都市が出来る事への期待を語りました。

アンケートでは、「ILCができると非常に大きな効果があることがわかった」、「宇宙とかミクロの目にも見えないものを使ってすごーい設備で調べているのですね。ノーベル賞もらった方も何年も何年もかかって先輩から後輩へ引き継いで調べた事なんですよね。すごいと思いました」などの感想がありました。


霧箱の作り方を説明する藤本順平 研究機関講師

8月24日(金)、埼玉県の富士見市立中央図書館で「宇宙はなにからできているんだろう」というタイトルで講演と霧箱製作実習を行い、小学1~6年生までの24名が参加しました。

ガリレオやニュートン、アインシュタインなどの博士を紹介しながら、宇宙がつぶでできていることを説明。その後、霧箱の製作・観察実習を行いました。

実習後のアンケートでは、「いとからつぶがでて何億年も出つづけることが不思議だった」、「かそくきのしくみがすごくふしぎだった」といった感想が寄せられました。

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