第2回東南アジア素粒子物理スクール、インドネシアで開催
#トピックス9月16日(日)から22日(土)までの7日間、インドネシアのガジャ・マダ大学(ジョグジャカルタ市)で、第2回東南アジア素粒子物理スクール(PPSSEA)が開催されました。
このスクールは、東南アジア諸国との素粒子物理学分野での連携の強化と同諸国での若手研究者の一層の育成を目的とするものです。ガジャ・マダ大学、インドネシア国家原子力庁(BATAN)、インドネシア理論物理学者グループ(GFTI)およびKEKが主催し、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムの5カ国から、約50名の博士課程、修士課程の学生と若手博士研究員が参加しました。第1回の東南アジア素粒子物理スクールは、昨年3月にマレーシア、クアラルンプール市で成功裏に終了しています。
今回のスクールでは、実践とプレゼンテーションに重点が置かれました。測定器の実践の講義では、参加者がワイヤーチェンバーと呼ばれる荷電粒子を検出する装置を作成し、それを使って粒子の測定を行いました。多くの参加者にとっては、これが初の物理実験の経験のようでした。「実験はもちろんのこと、講義もとても有意義でした」と、多くの参加者が語り、スクールの内容に満足した様子でした。
また、参加者は、素粒子物理理論・素粒子物理実験・測定器・加速器・ワイヤーチェンバー実験の5グループ毎に発表資料をまとめ、最終日にプレゼンテーションを行いました。
本スクールの校長を務めた、KEKの山内正則素粒子原子核研究所長は「このようなスクールには即効性はないと思いますが、積み重ねるうちに素粒子の分野で活躍する人が出て、東南アジアのサイエンスの底上げにつながると思います」と、スクールの継続的な実施の重要性を強調しています。
昨年のマレーシア開催のスクールの後には、マレーシア、ベトナム、タイの研究者がKEKのBelle II(ベルツー)実験に参加するなど、本スクールの開催は、KEKと東南アジア諸国の大学・研究所との研究交流促進にも大きく寄与しています。
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