ハドロン物理と大型計算科学の研究者によるワークショップ開催

 


トークの様子。多くの研究者が参加しました。
2013年2月11日(月)から13日(水)の3日間、大強度陽子加速器研究施設J-PARCに隣接する、茨城県東海村の茨城量子ビーム研究センターにおいて「Workshop on Future Prospects of Hadron Physics at J-PARC and Large Scale Computational Physics in 2013」と題した、ハドロン物理における将来展望と大型計算機物理についてのワークショップが開催されました。このワークショップはKEKの素粒子原子核研究所が主催し、計算基礎科学連携拠点(JICFuS)の共催のもと実施され、国内外から約60名の研究者や学生が参加しました。

ハイパー核やK中間子原子核と呼ばれるような特殊な原子核の構造、チャームクォークやボトムクォークといった重いクォークを含むエキゾチックハドロンについて、さらに近年高密度物質としてその物理機構が注目される中性子星などの話題を含む12個のセッションが設けられ、理論分野・実験分野・計算科学分野の研究者によりそれぞれ話題提供がなされました。参加者は自らに関係する分野のみならず、異なる分野の研究者に質問をするなど活発な議論が行われました。

さらに、最終日にはJ-PARCのハドロン実験施設への見学が行われました。ハドロン実験施設では例えば、ストレンジクォークを含むハドロンの一種ハイペロンの研究やストレンジクォークが入ったK中間子原子核を作り出すことによる、核力や原子核の性質を調べる研究などが実施されています。これらの実験は、中性子星や原子核物理を研究する理論研究者や、格子QCDシュミレーションを行い核力の性質を明らかにしようとする計算科学の研究者らにとっても大変重要です。

このワークショップの開催により、理論・実験・計算科学の研究者の連携が深まることとなりました。こうした繋がりにより今後の研究の発展が期待されます。

参加者の集合写真

関連サイト

Workshop on Future Prospects of Hadron Physics at J-PARC and Large Scale Computational Physics in 2013 HP

KEK理論センター J-PARC分室

計算基礎科学連携拠点(JICFuS)

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