KEK原田 健太郎氏、西川賞を受賞
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受賞した原田氏
KEK加速器研究施設の原田健太郎准教授が、平成25年度の高エネルギー加速器科学研究奨励会 西川賞を受賞しました。この賞は、高エネルギー加速器ならびに加速器利用に関る実験装置の研究において、独創性に優れ、かつ論文発表され国際的にも評価の高い業績をあげた研究者・技術者に贈られるものです。今回受賞対象となった研究課題は「電子蓄積リングにおけるパルス多極電磁石による新しい入射方式の開発」です。
KEKには、長さ(全長600メートル)と最大エネルギー100億電子ボルト(10GeV)電子線形加速器があり、KEKB加速器と2つの放射光リングに高エネルギーの電子ビームを供給しています。放射光の高度利用では、X線のナノビーム化、高分解能化、環境安定化等を実現するために蓄積電流値を一定に保つ運転が必要とされ、特に、利用を継続しつつ電子ビームを追加入射するために、電子線形加速器からの入射過程で放射光リングにおける蓄積電子ビームの軌道を変動させないことが不可欠となっていました。
原田健太郎氏は、磁場がゼロとなる磁場中心を持つ多極電磁石の特徴を巧みに利用することで、上記課題を原理的に解決する独創的な入射方式システムを考案・構築し、現在、放射光リングへの入射で不可欠なシステムとして運用されています。この方式は、入射システムの単純さと電子ビームとのタイミング調整を一台のパルス電磁石のみで可能なため、米国、ニューヨークのNSLS-Ⅱやスウェーデンのルンド市にあるMAX-Ⅳ等の最新鋭放射光施設や、岡崎の分子科学研究所のUVSOR等小型放射光施設への導入が検討されるなど、国際的にも高く評価されており、今回の受賞となりました。
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