KEKキャラバン、1月は愛知、神奈川、宮城、栃木に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。1月は愛知、神奈川、宮城、栃木で実施しました。


ホテルアソシア豊橋で講演する大須賀 鬨雄 研究員

1月11日(土)、ホテルアソシア豊橋(愛知県豊橋市)にて、小中学校の教員らからなる豊橋市豊橋教友会のメンバー193名を対象に「論理と愛のバランス~基礎科学には何ができ、何ができないか~」と題する講演を実施しました。

講演後のアンケートでは、「自分の信念とは何か、何をこれからの世代に残していきたいのか、改めて見つめ直したいと感じた」、「『自分で答えを見つけることが大切である』という言葉が印象に残った」などの感想がありました。


大田区消費者生活センターで講演する多田將 助教

1月12日(日)には、大田区消費者生活センター(東京都大田区)において「宇宙と素粒子」と題する講演を実施しました。日本宇宙少年団未来MM分団のメンバー40名が聴講しました。

アンケートでは「あんなに大きい加速器が日本に1476台もあることがすごかった」、「加速器がヒッグス粒子や素粒子などの研究のためだけでなく、医療の場でも使われていることに驚きました」などの感想が寄せられました。


宮城県立仙台第三高等学校で講演する田中 秀治 准教授

1月20日(月)、宮城県立仙台第三高等学校(宮城県仙台市)において、1、2年生136名を対象に、「素粒子実験装置を作る」をテーマとする講演を行いました。

講演は、KEKの概要説明からスタート。素粒子実験装置とはどのようなものを見ているのかという点を説明しました。KEKで実際に建設したThin Gap Chamberの量産の概要ついての講義を実施。試作開始当初は知識、経験もないなかで学生と試行錯誤を行ったこと、製作のための装置は自己開発ですべて行ったことなど、写真などを使って説明しました。特にTGCの量産に向けた試行錯誤の話など現場で起こったことを中心に紹介しました。

講演後に実施したアンケートでは、「とても小さい世界のことで調べるためにとても大きな装置を用意してそれを自作してしまうことがとても印象に残った」、「今まで素粒子について興味は少しあっただけであまりしらなかったが、今回の講義のおかげで色々知ることができ、将来の考え方まで教えてもらい、とてもためになる講義だった」といった感想が寄せられました。


作新学院高等学校で講演する多田 将 助教

1月24日(金)、作新学院高等学校(栃木県宇都宮市)において、1、2年生515名を対象に、「すごい宇宙」と題する講演を実施しました。

アンケートでは、「宇宙の昔を知るためにさまざまな学者の考えを使っていて、その流れをしっかりと考えて高エネルギー加速器にたどりついたことがよくわかった」、「科学にはまだまだ可能性がある、私もその可能性を探す人になりたいと思いました」などの感想が寄せられました。


気仙沼中央公民館で講演する藤本 順平 講師

1月26日(日)、気仙沼中央公民館(宮城県気仙沼市)において、気仙沼国際リニアコライダー推進協議会の会員100名を対象に、「宇宙のはじまり、ビッグバンと加速器~国際リニアコライダー(ILC)計画とは~」と題する講演を実施しました。

講演は「科学とは何か」についての解説から始まりました。加速器や標準理論についての説明を実施。将来の加速器ILCや欧州合同原子核研究機関(CERN)の紹介を行いました。

アンケートでは、「非常に興味深く聞かせていただきました。実現すれば夢の広がるプロジェクトだと思います」、「『3つの素粒子で全ての元素ができている。4つの力しかない』という言葉が印象に残りました」などの感想がありました。

1月27日(月)、藤沢市立羽鳥小学校(神奈川県藤沢市)にて、教員10名を対象の研修会で「放射線と加速器科学」と題する講義と霧箱観察実習を行いました。

研修会は霧箱観察からスタート。続いて、放射線についての講義を実施。加速器や標準理論についての解説を実施しました。また、加速器の応用例や将来の加速器ILCについても紹介しました。

講義後には、「個々の研究者の発見、予想、理論が次の研究の礎となっているんだなと科学の世界の広がりを見たようで、強く興味をひかれました」、「電子顕微鏡などが加速器と関わりがあることを聞いて驚いた」などといった感想が寄せられました。

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