高エネルギー加速器セミナー OHO'14開催

 

2014年10月8日

9月9日(火)から9月12日(金)までの4日間、「高エネルギー加速器セミナー OHO'14」がKEKつくばキャンパスの3号館で開催されました。同セミナーは若手研究者の育成や、企業の研究者の加速器科学への理解を深めることを目的として、1984年以来毎年開催されているものです。

第31回目となる今回のテーマは「リニアコライダーの基礎と先端加速器技術」。過去に「超伝導リニアコライダー」をテーマにしたセミナー(2006年)が実施されましたが、国際リニアコライダー(ILC)計画として取り上げるのは初めて。特に昨年2013年に「技術報告書(TDR:Technical Design Report)」が完成したこともあり、基礎的な内容はもちろん、この8年間での加速器の技術的進展の紹介も交えた、分かりやすい講義を実施しました。

12名の講師陣による講義では、まずILCで展開される物理の解説から始まり、その加速器の概要、ビームダイナミックスについて理論的な解説を行いました。続いて、加速器を構成する各要素技術である、電子・陽電子ビーム源、超伝導空洞とその周辺技術、表面処理、磁気遮蔽、大電力および低電力高周波源、クライオジェニックス、さらに加速器を設置する施設や運転するために必要な設備について、基礎から先端技術まで分かりやすく解説しました。セミナーでは最先端のデータも紹介され、熱のこもった講義に受講者は熱心に聞き入っていました。それぞれの講義終了後には大変鋭い質疑応答がなされていました。

セミナー2日目には施設見学会を実施。24名の参加者が、先端加速器開発施設(ATF棟)、超伝導空洞開発施設(STF棟)、コンパクトERL開発施設(ERL開発棟)における、世界最先端加速器開発の現場を見学しました。超伝導クライオモジュールや電子銃など、講義で解説された装置を間近に参加者の真剣なまなざしが印象的でした。

セミナー3日目の夜話(講義ではなく先輩方の経験談を伺う)では、超伝導空洞の開発に尽力されてきた講師を企業からお呼びし、「企業における超伝導空洞よもやま話」と題して、世界初の装置製作の苦労話や失敗談を交えた貴重なお話をして頂きました。

本講義で使われたテキストは以下のリンクよりご覧いただけます。

関連サイト

OHO14 
OHO14資料

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