KEKキャラバン、6月は千葉と東京に派遣

 

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。6月は千葉と東京で実施しました。


千葉県立船橋高等学校で講演する 素粒子原子核研究所広報コーディネータの高橋 将太氏

6月12日(金)、千葉県立船橋高等学校(千葉県船橋市)において、高校1、2年生23名を対象に、霧箱製作実験と「素粒子講座」と題する講義を実施しました。

霧箱実験では、放射線や霧箱の原理について説明した後、1人1台ずつ霧箱を作成。全員が放射線の飛跡を観察できたことを確認した後、その飛跡の長さや飛跡の出てきた場所などについて発表。また、それらの放射線について解説しました。続く、講義では、極微な世界について現在はどのように考えられているのかを紹介。また、今回作成した霧箱を使った実験が3つのノーベル物理学賞を受賞していることや、現在のより大型化した検出器についても説明を行いました。

実施後のアンケートでは、「加速器にはさまざまな用途や種類があることなど、今まで知りたかったけど知る機会がなかったことを知ることが出来ました」、「霧箱を実際につくってみて、これがどれだけすごいものなのかということを、知識としてだけでなく、実感することもできました」といった感想が寄せられました。


東京都立小松川高等学校で講演する橋本 省二 教授

6月19日(金)には、東京都立小松川高等学校(東京都江戸川区)において「宇宙は何からできているんだろう 〜 素粒子物理学から探る宇宙」と題する講演を実施し、1~3年生30名が聴講しました。

講演では、素粒子の世界への導入として、ミュー粒子やニュートリノの性質を紹介しました。続いて、物質の構成要素について解説。加速器による素粒子の発見や宇宙の広がり、宇宙の膨張とビッグバンについて説明し、最後にダークマターについて紹介しました。

講演後のアンケートでは、「素粒子を何㎞も離れたところからとばして、ぶつける技術がすごいと思いました。もっと技術が向上して色々なことがわかれば良いと思います」、「宇宙は分からないことがたくさんあるということが分かりました」などの感想が寄せられました。


星美学園中学校で講義する宇佐美徳子講師

6月25日(木)、星美学園中学校(東京都北区)において、3年生79名を対象に、「英語で分光器をつくろう」と題して、講義と分光器製作実習から成る英語での授業を行いました。この授業は国際プログラムの一環として実施されていて、KEKキャラバンでの実施は今年で3年目になります。

前半には、光の性質や分光器の原理を解説し、講師2名がそれぞれ、自身の研究に「光」をどのように使っているかを話しました。後半は、英文で書かれた説明書を見ながら分光器製作実習を行い、様々な光源を観察しました。最後に赤のセロファンやレーザーポインターなどを使ったクイズを行い、光と分光について理解を深めてもらいました。実施後のアンケートでは、「分光器というのは初めて聞いたけど、電気の光によって見え方が違っていてびっくりしました」、「大切な単語を少しでも聞くよう努力しました。少し科学に興味を持ちました」などの感想が寄せられました。

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