KEK公開講座「アインシュタインの一般相対性理論提唱から100年目の理論と実験」を開催
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KEK小林ホールでの講演に熱心に聞き入る参加者の方々
2015年11月21日(土)KEK小林ホールにおいて、KEK公開講座が開催されました。KEK公開講座は、実験・研究で得られた成果等を一般の方に広く紹介し、興味・関心を持っていただくことを目的に毎年、春と秋に実施しています。2015年は、アインシュタインが一般相対性理論を提唱して100年に当たる年であるため、今回のKEK公開講座は、一般相対性理論をテーマとした三つの講演が行われました。
一つ目は、素粒子原子核研究所 理論センターの井岡邦仁准教授による「ブラックホールと高エネルギー宇宙」と題した講演で、一般相対性理論からその存在が予言されたブラックホールに焦点を当て、明るいブラックホールなど最新研究によって明かされる新たな性質についての解説しました。また、一般相対性理論と量子論の融合や、ブラックホールと生命の関係など、ホットな話題も紹介されました。
二つ目は、素粒子原子核研究所 理論センターの郡和範准教授が、「宇宙のはじまり、現在、未来」と題し講演しました。一般相対性理論によって、宇宙は138億年前にインフレーションという急激な膨張で始まり、第2期のインフレーションで終わりを告げることが考えられること、さらに現在はその終末のインフレーションのはじまりの時期にあたり、宇宙の減速膨張時期から加速膨張時期への変わり目に住んでいることの不思議さについて話しました。
最後は、共通基盤研究施設 超伝導低温工学センターの都丸隆行准教授による「一般相対性理論の実験的検証と重力波」と題した講演でした。都丸氏は一般相対性理論の正当性や適用範囲を探る実験に焦点をあてた話題を取り上げ、理論の正しさに拠っている例として日常生活で使われるGPSについて解説しました。最後に一般相対性理論から導かれる現象としての重力波の直接検証を目的とし、2018年に観測開始が予定されている大型低温重力波望遠鏡KAGRAの建設状況を紹介しました。
今回の公開講座には200名を超える方に参加いただき、講演後も質問者による列ができるなど、提唱から100周年という記念的な年に一般相対性理論が解き明かす宇宙の姿に、さらに関心を深めていただける公開講座となりました。
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(2016.1.5 更新)
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