カナダの科学大臣がKEKを来訪、TRIUMF分室開所を祝う

 

5月15日、カースティー・ダンカン科学大臣、ロブ・ローゼンフェルド科学大臣首席補佐官等、カナダの科学行政を担う政府関係者の一行がKEKを来訪しました。この日は、加速器を用いた素粒子物理学の研究を行うカナダの研究機関TRIUMF(トライアンフ)のKEK分室の開所式も併せて行われ、ダンカン科学大臣らは、KEK関係者とともに両機関の新しい協力関係を祝いました。

今回ダンカン大臣らは、15日から17日にかけてつくば市で開催されたG7科学技術大臣会合のために訪日、市内の研究機関や大学を数か所視察し、その一環としてKEKを訪れたものです。一行はまずKEKの概要について説明を受けた後、アップグレードが進むBelle II測定器を視察しました。その後、分室を見学し開所を祝うテープカットを行いました。


Belle II測定器を見学しながら、カナダからの共同研究者の話を聞くダンカン大臣


TRIUMFのKEK分室開所を祝うテープカット。写真左から、TRIUMFのジョン・バーガー所長、カースティー・ダンカン科学大臣、KEKの山内正則機構長

ダンカン大臣は「TRIUMFとKEKは、素粒子物理学の世界的なリーダーとして、この重要な分野を発展させるような強い協力関係を創り出してきました。両機関の新しい関係をお祝いするとともに、新しい時代に日・加両国の関係から基礎科学の大きな発展が生まれることを期待しています」とあいさつ。続いてKEK山内正則機構長が「TRIUMFとKEKはともに、素粒子物理、加速器科学や物性科学の分野における国際的研究所として知られています。今後さらに協力関係を強化することで、TRIUMFとKEKはこれらの研究分野の発展において主導的な役割を果たしていきます」と展望を話しました。また、TRIUMF所長のジョナサン・バーガー博士は「TRIUMFとKEKがともに両国内外で進める発見と改革を楽しみにしています」と期待を寄せました。

TRIUMFやカナダの大学とKEKは、素粒子物理学、加速器科学と物質科学の分野で多数の共同プロジェクトを実施しており、現在は、T2K実験やBelle II実験、欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)、国際リニアコライダー(ILC)などで共同研究や技術開発を行っています。今回新たに強化された協力関係によって、それに基づく基礎科学の大きな発展と革新的な科学的発見が期待されます。


KEKに来訪したダンカン科学大臣等カナダの科学行政を担う政府関係者一行とKEK関係者

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