「第7回TIAシンポジウム」が開かれました

 

7月22日、オープンイノベーション拠点TIAが主催したイベント「第7回TIAシンポジウム―新たなる連携の『かけはし』―」が、つくば国際会議場で開かれました。


つくば市の国際会議場で開かれた「第7回TIAシンポジウム」の様子

TIAは、KEK、産業技術総合研究所(産総研)、物質・材料研究機構(NIMS)、筑波大学、東京大学の中核5機関が協力して推進し、オープンイノベーションをミッションにかかげる組織であり、今年4月から新たに東京大学を中核機関に加え、活動を拡大しました。先進的ナノテクノロジーを基盤とし、バイオ、ヘルス、ビッグデータ分野などの新領域への展開にも取り組んでいます。また、中核5機関による今年度新規共同事業として、「TIA連携プログラム探索推進事業『かけはし』」を開始しました。この事業は、各テーマの参加研究者が組織の枠を超えて協働し、新領域開拓のための戦略策定と体制の構築に向けた取り組みを進めていくものです。今年度予算は約8000万円(5機関総計)を予定しており、中核5機関の研究者を対象にテーマを公募し、79件の提案から39件が採択されました。

シンポジウムでは冒頭、TIA運営最高会議の住川雅晴議長(株式会社日立製作所 顧問)が「東京大学を中核基盤に迎え、東京、柏、つくばを結ぶ〝イノベーション・コリドー(通路、回廊の意)″を確立する構想を、この4月から実現できました。今後研究領域も拡大していく予定で、『かけはし』プロジェクトによって、いろいろな研究機関と連携しながら行う研究のスタートアップを支援していければと思います」とあいさつしました。

その後、今年度のかけはし事業に選ばれた研究者らを含めた11人が講演を行いました。講演では、産総研TIA推進センターの大久保雅隆上席イノベーションコーディネーターによる構造材料の先端計測分析を行う研究についての紹介や、東京大学大学院新領域創成科学研究科の河野重行教授による藻類バイオの研究の紹介など、各機関が連携して行う研究の例が説明されました。


研究について発表するKEK素粒子原子核研究所の新井康夫教授

KEKからは、素粒子原子核研究所の新井康夫教授が、KEK、産総研、筑波大、東大の新しい技術を集めて行う「3次元積層半導体量子イメージセンサの調査研究」について紹介。新井教授は、「センサを多層にすることによって様々なエネルギー、種類の量子線を同時に測ることができる」と説明し、他機関と連携することで「それぞれの機関の得意技術と知見を持ち寄り、革新的高機能、高感度量子イメージセンサの実現を目指し、調査研究を行っていきます」と話していました。
KEKのTIA推進室・池田進室長は、「様々な分野の研究機関を抱えるつくばが連動し始めました。その連動が大きくなる様にKEKとしても支援していきたい」今後の抱負を語っています。

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