科学と音楽の響宴2016を開催

 

2016年11月20日(日)、つくば市ノバホールにおいてつくば市、つくば文化振興財団との共催、高エネルギー加速器科学研究奨励会協賛による「科学と音楽の響宴2016」を開催しました。この「科学と音楽の響宴」は科学のレクチャーと音楽のコンサートを組み合わせることで右脳と左脳の両方を刺激し、バランスの取れた頭脳の能力向上に役立たせようとするもので、地域の文化活動の一環として毎年実施しています。

第1部は、2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章・東京大学特別栄誉教授/東京大学宇宙線研究所長をお招きし、ニュートリノの質量の発見と関連の研究についての講演を行いました。現在、東海キャンパスのJ-PARCから梶田氏が所長を務める宇宙線研究所の実験施設スーパーカミオカンデに向けてニュートリノビームが発射されており、当機構とはかねてから深い関係にあります。講演の中でも故戸塚洋二・元高エネルギー加速器研究機構長と共に写った写真が提示されました。一般にノーベル賞を受賞した研究者の講演というと難解なものを連想しがちですが、同氏の解説は科学になじみのない人にも非常にわかりやすい内容でした。

第2部は「フルートで奏でる星と宇宙」と題し、東京交響楽団首席フルート奏者の相澤政宏氏とピアノの大堀晴津子氏のコンサートを行いました。科学のレクチャーとジョイントで行うコンサートにふさわしく、ディズニー映画でおなじみの「星に願いを」や日本の名曲「十五夜お月さん」、女性作曲家シャミナードの「星のセレナーデ」など、主に星、月、自然にちなんだ曲で構成されました。中でも「比重21.5」は、フルートが白金(プラチナ)で製作された記念の演奏会のために作られた曲で、この世で最も軽い物質であるニュートリノと最も重い部類に属する白金とを対比させた相澤氏の粋なはからいによる選曲でした。

今回はつくば市内外から900名を超える申し込みがあり、研究学園都市近辺の住民の方々の科学と音楽に対する関心の高さがうかがえました。


梶田隆章東京大学特別栄誉教授による講演風景


フルートの相澤政宏氏とピアノの大堀晴津子氏による演奏風景


出演者と野村昌治 KEK理事(右端)

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