若い世代の人材育成の新たな取り組みの一つとして、茨城大学とKEKは6月7日、同大学部生が最先端の施設を見学する「茨大KEK Day(ケックデー)―最先端加速器による量子線科学のツアー」を開催しました。学生約40人が、KEKつくばキャンパスとJ-PARCの各施設を見学しました。
茨城大学は、2016年4月、大学院理工学研究科に全国的にもユニークな「量子線科学専攻」を新設し、量子線をツールとして活用できる人材の育成と先端的イノベーションの創出を目指しています。またKEKでは、加速器科学関連分野の人材育成などのため、大学等の機能強化に協力することと、中期計画で定めています。
J-PARCでは、施設の概要説明を受けたのち、加速器施設、物質・生命科学実験施設、ニュ-トリノ実験施設、ハドロン実験施設を見学。KEKつくばキャンパスでは、SuperKEKB加速器のトンネル、Belle II測定器のある筑波実験棟、放射光科学研究施設を訪れました。参加者は、各実験担当者からそれぞれの研究について詳細な説明を受け、熱心に質問していました。
参加した学生からは、「物理の研究だけかと思っていたけど、生物、化学分野のいろいろな研究もできるとわかって興味深かった」「研究者の方に『(実験装置を)使いたくなったら、使いに来てください』と言っていただき、最先端の施設が身近に感じた」との感想が聞かれました。