韓国から要人がKEKつくばキャンパス、J-PARC、和光原子核科学センターを訪問

 

韓国の科学技術情報通信部国際科学ビジネスベルト推進団グォン・ヒョンジュン団長と韓国基礎科学研究院(IBS)の希少同位体科学プロジェクト(RISP)チョン・スンチャンリーダー一行が11月20日と21日の2日間、KEKつくばキャンパスと東海村のJ-PARC、埼玉県和光市の和光原子核科学センターを訪問しました。

KEKを訪問した韓国国際科学ビジネスベルト推進団グォン・ヒョンジュン団長一行とKEK関係者

IBSとKEKは、2013年に超伝導空洞などの分野で研究協力に関する協定を結んでいます。 20日はまず、KEKつくばキャンパスで、機構概要について説明を受けました。 山内正則機構長が韓国語で挨拶し、これまでの研究協力の経緯を説明しながら歓迎の意を表すと、ヒュンジョン氏は、「韓国では、新しい大きな加速器を建てようとしていて、初めてのことなのでいろいろな難しさを感じている。世界の皆さんのお力をお借りしたいと思います」と応じ、和やかな雰囲気で会合が進みました。 韓国では、新たに重イオン加速器を建設中で、国民からの基礎科学への理解を得るにはどうすれば良いかなど、熱心に質問していました。

その後一行は、加速器ビーム衝突運転を間近に控えたBelle II測定器のある筑波実験棟、物質の構造と機能を解析する放射光科学研究施設(PF)、高性能の超伝導空洞開発と超伝導加速システムの試験開発を行うSTFを視察しました。

J-PARCでは、齊藤直人センター長から説明を受けました。 その後、ミュオンと中性子ビームを用いて物質・生命科学研究を行うMLF、大強度の陽子ビームで原子核物理や素粒子崩壊などの実験を行うハドロン実験施設、岐阜県飛騨市神岡町にあるニュートリノ検出器「スーパーカミオカンデ」にニュートリノビームを打ち込むニュートリノ実験施設を視察しました。

21日は、埼玉県和光市の理化学研究所(理研)・仁科加速器研究センターを視察。 KEKの素粒子原子核研究所が設置した和光原子核科学センターの宮武宇也センター長らから説明を受けました。 その後、自然には存在しない短寿命核の性質を調べるKISS実験, 生成した短寿命核の質量を精密に測定するMRTOF装置のほか、理研RIビームファクトリー(RIBF)施設の全体を視察しました。

重イオン加速器の建設で、基礎科学研究にさらに本格的に取り組み始めた韓国との研究協力関係の一層の発展が期待されます。

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