ILC国際ワーキンググループを設置 第一回会合を開催

 
前列左から:マズムダー氏、山内KEK機構長、岡田KEK理事、ランクフォード氏 後列左から:藤井KEK教授、ヴァレ氏、デッシュ氏、道園KEK教授

KEKは、国際リニアコライダー(ILC)計画の国際分担のあり方等を議論する国際ワーキンググループを立ち上げ、5月17日(金)に、スペイン・グラナダで第一回会合を開催しました。

去る3月7日、東京大学で開催されたリニアコライダー国際推進委員会(LCB)の会合で、ILC計画に関する見解が文部科学省から示されました。その中で、国際分担の在り方などについて、国内および国際研究者コミュニティの議論を進める国際ワーキンググループをKEKが主導することへの期待が表明されました。これを受けて、欧州から2名、北米から2名、アジアから3名(日本を含む)で構成される国際ワーキンググループを設立したものです。

このワーキンググループは、ILC技術設計報告書の附属文書として公表されたプロジェクト実施計画の2015年7月改定版をもとに、以下の点を検討・更新します。

○建設費用、運転経費の国際分担に関する考え方について
 ILC技術設計報告書のコスト積算に基づき250ギガ電子ボルト(GeV)ILC計画の建設コストについて検討し、(a)ホスト国として負担すべき事項と(b)国際パートナーと分担すべき事項に分け、建設モデルを提案すること。運転及び解体経費の分担モデルを提案すること。

○ILCを実現するための組織の在り方について
 ILC研究所および同プレ研究所に係る体制及びマネジメントモデルを提案すること。

○残された技術的課題に取り組むための国際分担について
 文部科学省のILCに関する有識者会議および日本学術会議所見にて指摘された技術的課題を解決するため、準備フェーズで行うべき、国際協力の可能性も含めた、技術準備計画を提案すること。

検討結果は本年9月末までにまとめられ、KEK機構長に提出されます。また、同報告書は文部科学省に提出され、文部科学省と各国政府との議論の際に用いられる予定です。

ILC国際ワーキンググループ委員

〇クラウス・デッシュ 独ボン大学 教授
〇アンドリュー・ランクフォード 米カリフォルニア大学アーバイン校 教授
〇カジャリ・マズムダー 印タタ基礎物理学研究所 教授
〇パトリシア・マクブライド 米フェルミ国立加速器研究所 主任研究員
〇道園 真一郎 KEK加速器研究施設 教授
〇岡田 安弘 KEK理事 (委員長)
〇クロード・ヴァレ 仏フランス国立科学研究センター(IN2P3) 主任研究員
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