ILC推進国際シンポジウム「ピーター・ヒッグス博士が語る ヒッグス粒子とILC」開催

 
シンポジウムの様子
Shota Takahashi

ILC推進国際シンポジウム「ピーター・ヒッグス博士が語る ヒッグス粒子とILC」(主催:KEK、共催:東京大学、多摩六都科学館、岩手大学、広島大学、九州大学、早稲田大学、岩手県立大学、お茶の水女子大学、リニアコライダーコラボレーション、先端加速器科学技術推進協議会、東北ILC推進協議会)が2月8日、東京大学の伊藤国際学術センター伊藤謝恩ホールで開かれた。伊藤謝恩ホールをメーン会場に、盛岡市、広島市、福岡市に置かれた3会場をサテライト会場として、計約600人の市民らが参加した。

ヒッグス粒子の存在を予言したことからノーベル賞を受賞した、英エジンバラ大学名誉教授のヒッグス博士が、当初はスイスのCERNからリモート参加する予定だったが、体調の問題で事前録画したビデオ映像による参加になった。

冒頭、小林誠KEK特別栄誉教授が素粒子の発見から標準理論ができるまでの素粒子物理学の歴史を振り返ったうえで「まだ、さまざまな未解決の問題がある」と指摘した。続いて、米カリフォルニア大学バークレー校の村山斉教授が「宇宙はどうやって始まったのか」という疑問からILC計画の必要性を解説、科学で世界平和をリードできるILCを日本に誘致すべきだと強調した。その後、小林博士と村山教授、そして駒宮幸男早稲田大学教授がパネルディスカッションを行った。また、小林博士と同時にノーベル賞を受賞した名古屋大学の益川敏英特別教授もビデオメッセージを寄せた。

最後にヒッグス博士が講演。博士はILCについて「早期に建設する必要がある。経済的な負担となるかもしれないが、経済にもたらす影響はそうした負担を越えるものだ」と強調。その後、「研究を始めたきっかけは何ですか」「ヒッグス粒子の提唱から発見までに50年もかかったが、どういう気持ちでいたのか」などというサテライト会場の若者たちの質問に、一つひとつ丁寧に答えた。

メイン会場のスクリーンに映し出されたサテライト会場の様子
Shota Takahashi
パネルディスカッションの様子
Shota Takahashi
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