科学技術分野の文部科学大臣表彰「研究支援賞」を3名が受賞
#J-PARC #トピックス #共通基盤 #加速器加速器研究施設加速器第二研究系の新垣良次専門技師と柳岡栄一技師、および共通基盤研究施設超伝導低温工学センターの大畠洋克技師が科学技術分野の文部科学大臣表彰の「研究支援賞」を受賞しました。4月に予定されていた文部科学省での表彰式が新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となり、5月28日、表彰状が山内正則機構長から3人に手渡されました。
この賞は文部科学大臣表彰の一部門として令和2年度に新たに創設された賞で、研究開発で顕著で専門的な技術的功績があった人に贈られます。今回は、70件の応募の中から10件が選ばれました。新垣さんと柳岡さんの功績名は「大強度陽子ビームの遅い取り出し実現と高品位化への貢献」で、大畠さんの功績名は「大型極低温システム建設運用によるニュートリノ実験への貢献」でした。
新垣さんは加速器からビームを取り出すための静電セプタム装置について、セプタム(仕切り)にビームの一部が衝突する損失を低減するため、タングステンレニューム合金リボンを使った極薄セプタムの開発と実用化に成功しました。「ビームの取り出し効率は世界屈指の取り出し効率(99.5%)の実現に寄与し、静電セプタムのチタン化による残留放射能の低減にも取り組んで来ました。今後更なる大強度陽子ビームの取り出しに向けて装置の維持、改良に努めたい」と話していました。
柳岡さんはセプタムにビームが衝突する確率を減らすため、動的なビーム軌道を作る磁石群と軌道制御装置(ダイナミックバンプ)の開発と実用化に成功しました。「バンプ軌道のリアルタイム制御にDSPが使えるのではと思いましたが、初めて扱うものが多く意外と苦労しました。これからはだれでも軌道制御装置を扱えるようにしたい」と笑顔で語っていました。
大畠さんは、ニュートリノ一次ビームラインに設置した超伝導電磁石群に極低温ヘリウムを供給する超伝導電磁石システムの建設と運用を行い、T2K実験の安定した成果に大きく貢献しました。「この超伝導システムの稼働率は99.9%以上を誇ります。建設時は、建設工期を守るため土日も惜しんで頑張りました。ニュ-トリノ実験は今までの仕事で培った経験から得た技術(技能)の集大成です」と自信に満ちた表情でした。
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