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原子核のまわりに有る電子のエネルギー状態は原子特有の値のみとることができます。その中間の状態でいることはできません。電子が存在できる軌道はいちばん内側からK殻,L殻,M殻,N殻と呼ばれ,内側ほど強く原子核に結合している,いいかえればもっともエネルギーが低い状態です。それぞれの殻には何個の電子が入れるか決まっており,いちばんエネルギーの低い状態から電子が詰まっていきます。内側から順に空席がなく電子が詰まっている状態がもっともエネルギーが低く,安定な状態です。もし電子が外側の軌道にいて,またそれより内側の軌道に電子が入れる空席があったとすると,電子はエネルギーの高い状態から低い状態に移り,そのときに余分なエネルギーを光として放出します(発光)。逆に、安定な原子に,電子がより外側の空いている軌道に移動するのにちょうど必要なエネルギーを持つ光を与えることによってエネルギーの低い状態から高い状態に移る現象もおきます(吸収)。電子は中途半端な状態にいることはできませんから、エネルギー状態の変化に伴って発光あるいは吸収される光のエネルギーは決まった値をとります。このことを使うと、発光された光、あるいは吸収された光のエネルギーを知ることによって、発光あるいは吸収した元素の種類と電子の状態を知ることができます。
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