「ダークマター」ってなに?
宇宙にはたくさんの銀河が存在し、銀河団という銀河の集まりをつくっています。 銀河団の中で銀河は私たちが考える以上に大きな速さで動いているのですが「観測できない何か」が繋ぎとめているおかげで、散り散りになることはありません。 この「何か」がダークマター(暗黒物質)です。
様々な宇宙観測の結果から、全宇宙のエネルギーのうち約95%が「よく分からないなにか」でできていることが分かっています。 裏を返せば、宇宙の大部分はまだまだ分からないことだらけ。 見えないのだけれど確実にそこにあるよく分からない物質、ダークマターの謎の解明は、宇宙物理学の大きな宿題です。
ダークマターは未知の粒子なのか、それとも私たちがまだ知らない物理法則があるのか。 現在、世界各国で革新的な実験が遂行中です。 地下深くに設置された測定器や、強力な粒子ビーム、宇宙や地上に設置された望遠鏡など様々なアプローチで、ダークマターの謎に迫ろうとしています。
「Dark Matter Day(ダークマター・デイ)」ってなに?
ダークマターの謎の解明は、宇宙のはじまりやその進化、そして宇宙全体の枠組みについて多くの知見をもたらし、人類の知の地平線をさらに拡大させることでしょう。 「Dark Matter Day」は、このワクワクドキドキがいっぱいの物理現象を、全世界の人に広めて、知ってもらおうという日です。
世界各地では「見えないもの」を祀る行事がたくさんあります。 今年からは、10月31日に「宇宙の見えないもの」についても、一緒に想いを巡らせてみませんか?
このウェブページを飛んでいる物体はなに?
毎週金曜日の夜に開催しているKEKサイエンスカフェの参加者に描いてもらった「ダークマター」のイラストです。
「Dark Matter Day」の黒幕は?
「Interactions Collaboration(インタラクションズ・コラボレーション)」という、世界各国の素粒子物理学研究所から集まった科学コミュニケータのグループが考案したイベントです。 https://www.interactions.org/dark-matter-day/eventsでは、各国のDark Matter Dayイベントの一覧を確認できます。