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研究会報告 KEK-Cosmo AY2024

リチャード・ボンド教授による特別講演の様子

2024年度のKEK宇宙物理研究会(KEK-Cosmo AY2024)“Evolution of the Inhomogeneous Universe: From Inflation to Structure Formation”(「非一様な宇宙の進化:インフレーションから構造形成まで」)が、11月6日から8日にかけて、KEKつくばキャンパスにて開催されました。本研究会は、宇宙物理学分野における国際的な研究交流の場として、毎年つくばで開催されているKEK-Cosmoシリーズの一環です。これまでにも国内外の研究者を数多く招き、国際会議や国際スクールを通じて、若手からベテランまで幅広い層の研究者が最新の知見を共有してきました。

本年度は世界各国から60名を超える研究者や大学院生が参加し、初期宇宙における加速的膨張期であるインフレーションや、その後の大規模構造形成といった最先端の研究テーマをめぐり活発な議論が展開されました。特に観測的手法の進歩や新たな理論モデルの提案に基づく研究成果が発表され、初期宇宙から現在に至る宇宙の進化プロセスへの理解が一段と深まるとともに、今後の課題や展望についても多面的な検討が行われました。また、会期中にはKEK-Cosmo特別コロキウムとして、トロント大学のカナダ理論天体物理学研究所(CITA)のリチャード・ボンド(Richard Bond)教授による特別講演が行われ、宇宙物理学研究の過去数十年を俯瞰(ふかん)する歴史的背景と今後の展望が示され、参加者にとって示唆に富む内容となりました。

プログラムは招待講演を核とし、関連分野から公募した一般講演と合わせて合計18件のロングトークと7件のレギュラートークで構成され、理論・観測・数値シミュレーションを含む多面的なアプローチが紹介されました。こうした発表や議論を通じて、参加者は分野横断的な研究動向を把握するとともに、新たな共同研究の機会や若手研究者育成への手がかりを得ました。KEK-Cosmo AY2024は、このような成果をもって来年度以降の研究活動をより一層発展させる契機となり、盛況のうちに終了しました。


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