セミナー

Masato Yamanaka, KEK

Big-bang nucleosynthesis with a long-lived CHAMP including helium-4 spallation process

Meeting room 1, Kenkyu honkan 1F
Long-lived charged massive particle (CHAMP) plays a role as catalyzer of exotic nuclear reactions in the Big-bang nucleosynthesis era. I discuss the primordial abundances of light elements involving the helium-4 spallation processes, the catalyzed fusion processes, and the internal conversion processes. Furthermore, I show the cosmologically favored parameter space in the minimal supersymmetric standard model with long-lived stau via solving the Lithium-7 problem

山口康宏, 阪大RCNP

[原子核・ハドロングループセミナー] Exotic baryons from a heavy meson and a nucleon --Negative parity states --II

Meeting room 1, Kenkyu honkan 1F
我々はヘビーフレーバーを含む中間子であるDbarメソンまたはBメソンと核子の系におけるエキゾチックな散乱状態の解析を行う。粒子間の相互作用として、ヘビークォーク対称性に基づいたパイオン、ベクターメソン交換相互作用を用いる。系を非相対論的に取扱い、シュレディンガー方程式を解くことによってS行列を求め、その結果として(I,JP)=(0,3/2-)状態に共鳴があることを予言した。この共鳴はヘビーベクターメソンと核子の系(Dbar*-NまたはB*-N)とのチャンネル結合によって引き起こされるFeshbach共鳴であることがわかった。

大古田俊介, 阪大RCNP

[原子核・ハドロングループセミナー] Exotic baryons from a heavy meson and a nucleon --Negative parity states -- I

Meeting room 1, Kenkyu honkan 1F
我々はヘビーメソンと核子(DbarN 及び BN)によって構成される、エキゾチックなフレーバー量子数を持つヘビーバリオンの研究を行なった。ヘビーメソンと核子間の相互作用はヘビークォーク対称性を反映した1ボソン交換力として記述する。安井氏と須藤氏による先行研究では、パイオンによる長距離力のみ考慮されていたが、今回我々は短距離力の効果も取り入れる。このとき束縛状態は先行結果と同様に(I,J^P) = (0,1/2^-)状態で得られた。また、我々はSU(4)フレーバー対称性に基づく、ヘビーメソン-核子系の束縛状態についての解析も行なった。この解析からクォーク質量が軽い領域と重い領域での物理の違いを議論する。

Akira Mizuta, KEK

[理論宇宙物理グループセミナー] Photospheric thermal radiation for GRB promot emission

Meeting room 3, Kenkyu honkan 1F
ガンマ線バーストの即時放射に関しての放射機構の一つとして光球面からの熱的放射モデルがあげられる。最近の理論的、数値シミュレーションから得られた結果に関して紹介する。
参考文献:
Lazzati et al. ApJ 732, 34 (2011)
Nagakura et al. ApJ 731, 80 (2011)
Pe’er ApJ 682, 463 (2008)

日高義将, 理研

場の量子論を用いた輸送係数の計算

Seminar room, Kenkyu honkan 3F
我々は相対論的場の量子論における輸送係数のダイアグラムを用いた新しい計算法を提案する. 我々の輸送係数の計算はBethe-Salpeter型の自己無撞着な方程式の計算に帰着し,その方程式の構造は線形化されたBoltzmann方程式と同様な形を持つことを示す.この計算の主要項は線形化されたBoltzmann方程式と完全に等価であり,高次の補正は頂点関数,スペクトル関数と衝突項に繰り込む事ができる事を見る.またこの方法を用いた相転移近傍での臨界現象についても議論する.特にモードカップリング理論や非線形Langevin方程式とダイアグラムの方法の対応を議論する.この方法を南部-Jona-Lasino模型に適用しカイラル相転移点での輸送係数について議論する.

Koji Hashimoto, RIKEN

Nuclear physics from String theory

Meeting room 1, Kenkyu honkan 1F
Describing nuclear properties directly from QCD is a long standing problem. I apply string theory technique called AdS/CFT correspondence, to solve this issue. With the technique, I can show a formation of atomic nuclei and their important properties such as nuclear density saturation, starting from strongly coupled QCD. This opens up an interdisciplinary interaction between nuclear physics, particle physics, and string theory.

Yasuhiro Sekino, KEK

CMB Fluctuations and String Compactification Scales

Meeting room 1, Kenkyu honkan 1F
We propose a mechanism for the generation of temperature fluctuations of cosmic microwave background. We consider a large number of fields, such as Kaluza-Klein modes and string excitations. Each field contributes to the gravitational potential by a small amount, but an observable level of temperature fluctuations is achieved by summing up the contribution of typically of order 10^{14} fields. Tensor fluctuations are hardly affected by these fields. Our mechanism is based on purely quantum effects, and is different from the “slow-roll” or “curvaton” scenario. Using the observed data, we find constraints on the parameters of this model, such as the size of the extra dimensions and the string scale. Our model predicts a particular pattern of non-gaussianity with a small magnitude.
Reference: Yoshinobu Habara, Hikaru Kawai, Masao Ninomiya and Yasuhiro Sekino, [arXiv:1103.0299].

井元信之, 大阪大学大学院基礎工学研究科

量子測定の意外な側面

Room 345, 4 go-kan
量子力学は、測定されなければユニタリー発展、測定されればノイマンの射影という2本立ての法則から成る。射影をもたらす測定は「強い測定」であるが、被測定系と測定器を弱く相互作用させることにより、射影の度合いも弱い「弱い測定」が可能である。強い測定も弱い測定も単なる計測にとどまらない意外な効用あるいは性質があり、最近理論のみならず実験研究も進んでいる。たとえば量子もつれ(エンタングルメント)と強い測定を組み合わせると興味深い「測定誘起型量子演算」ができるが、これは4光子系で実験が行われている。一方弱い測定を用いると、量子干渉を妨げず干渉計の中の粒子の経路の「期待値」が知れることが最近わかって来た。さらに特殊な干渉計ではそれが負という異常な値が出ることが予想され、それも実証された。そのようなことが起こる一般的条件はまだ分かり切ってはいない。講演ではこれらの研究を解説するが、準備も兼ねて量子もつれおよび量子テレポーテーションから紹介する。

坪田誠, 大阪市立大学

量子乱流-- Another Da Vinci code --

Room 345, 4 go-kan
約500年前のルネッサンス期、レオナルド・ダ・ヴィンチは乱流のスケッチを描き、 「乱流は単なる乱れた状態ではなく、渦から成る構造を持つ」(Another Da Vinci code)という重要なメッセージを残した。それ以降、乱流については、基礎科学から 応用科学に至る広範な分野で膨大な研究が行われて来た。しかし、乱流は非常に 複雑で、強い非線形性を持つ非平衡の動的現象であり、十分な解明がなされたとは 言えない。「Another Da Vinci code」が乱流を解く鍵を与えるかも知れないが、 通常流体では渦は安定でなく、その同定すら容易でない。ところが、近年、 「Another Da Vinci code」は、超流動ヘリウムや中性原子気体 ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)といった極低温の量子流体が作る 量子乱流(Quantum turbulence)のなかにこそ具現化していることが明らかに なって来た。本講演では、このような最新の量子流体力学研究について紹介する。

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