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第10回ミュオン科学諮問委員会 MuSAC/MAC開催

物構研トピックス
2012年2月23日

2月17日,18日、第10回ミュオン科学諮問委員会Muon Science Advisory Committee (MuSAC)がKEK東海キャンパスで開催されました。この委員会では、物質構造科学研究所長からの諮問を受けてJ-PARC/MUSE での研究活動、大学共同利用、施設運営などについて毎年評価するとともに、今後ミュオン科学が目指すべき方向についての助言・勧告が行われます。さらに、上記を踏まえてのMUSE施設の運転・維持管理などについては、J-PARCセンター長からの諮問を受けたミュオン諮問委員会(Muon Advisory Committee, MAC)が助言・勧告を行いますが、両委員会を同一メンバーで合同開催することで、より実効性のある諮問委員会としての役割を果たして頂いています。今回も、昨年同様に海外のミュオン研究機関(カナダTRIUMF、スイスPSI、イギリスRAL)を含む外部の専門家8名をお招きし、様々な諮問内容について検討を頂きました。

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集合写真

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講演会場の様子

初日は、今回の諮問内容が下村理 物構研所長からMuSAC/MACに対して提示されるとともに、施設や装置開発を中心としたセッションが行われました。大震災とそれからの復旧・復興を中心にJ-PARC、物質・生命科学実験施設(MLF)それぞれの現状報告が行われた後、MUSEとそこで行われている大学共同利用研究について現況が報告されました。引き続き、ミュオン生成標的では放射化の調査とその対策について、Dラインでは分岐したD1とD2を同時に使用可能にするキッカー導入について、及びミュオン・スピンの動きを捉えるμSR分光器の高度化についての報告がなされました。また、建設中のUライン、及び科学研究費補助金(新学術領域研究)でその後段に導入予定の超低速ミュオン実験装置、さらには将来計画であるSラインとHラインについても、現在の検討状況が示されました。

二日目は、研究活動の審査評価が中心に行われました。5年間のプロジェクト型課題として2009年に開始された髭本亘氏(原研先端研)をリーダーとする研究について、3年目の中間評価ヒアリングを兼ねた報告が行われた後、2011年度に応募のあった「ミュオン共同利用S型課題」3件を含む4件について、各実験課題責任者からの現状報告がありました。これらのうち、Hラインに提案されている「ミュオニウム超微細構造定数精密測定実験」、「ミュオン稀崩壊過程探索実験」、及び「ミュオン異常磁気能率精密測定実験」については、物構研ミュオンPACでの二次採択へ向けてのR&Dの進捗状況が報告されました。また、2011年度のPACで二次採択となった「超低速ミュオン顕微鏡」については、2012年度の研究計画についての概要が紹介されました。

委員会の最後には、MuSAC/MAC委員長から答申の要約が提示されるとともに、物構研所長に手渡されました。

>>プログラム[PDF 48KB]


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