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高草木 達氏、日本化学会北海道支部奨励賞を受賞

物構研トピックス
2014年2月 3日

高草木 達氏(北海道大学 触媒化学研究センター 表面構造化学研究部門)が日本化学会の北海道支部が授与する奨励賞を受賞しました。 この賞は、北海道支部が平成15年より設置した賞で、日本化学北海道支部会員である40歳未満の若手研究者を対象に、 化学の基礎または応用に関する貴重な研究をなし、その業績が特に優秀な者に授与するものです。

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左から:高草木氏、太田 信廣 日本化学会北海道支部長(北大電子研)
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有機分子をあらかじめ結合させておくことで、酸化チタン(TiO2)単結晶表面上に金(Au)を単原子分散させることに成功した。

受賞対象となった研究は「単結晶表面上に構築した金属ナノ構造体の高分解能計測と表面化学プロセスの原子レベル観察」です。
触媒反応や薄膜が形成されるとき、表面では様々なナノ構造が形成され、その構造が材料の特性を大きく左右します。 そのため、表面ナノ構造とその特性の関係を、原子レベルで理解することが重要です。 高草木氏は、原子レベルの分解能を有する走査型トンネル顕微鏡やフォトンファクトリーの放射光を利用した表面回折実験や XAFS(ザフス、X-ray Absorption Fine Structure / X線吸収微細構造)測定から、 触媒反応や薄膜形成プロセスに関わる金属ナノ構造体を多角的に解明しました。 また、実際に反応プロセスをリアルタイム追跡することで、表面のナノ構造体が反応プロセスに影響をあたえる仕組みを明確にしてきました。

これらの業績は、原子レベル観察と実条件での動的観測によって得られた、多くの世界初の観測結果であり、表面化学、触媒化学、電気化学の理解発展に貢献してきたことが評価されました。

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