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第2回MLF Schoolを開催

物構研トピックス
2014年12月25日

12月16日~19日まで、J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)にて第2回MLFスクールが開催されました。
このスクールは、次世代の研究者を育成し、サイエンスの質の向上を目的に、J-PARCセンター、CROSS、茨城県の主催により発足したもので、これから中性子やミュオンの利用実験を検討している学生や若手研究者を対象に行われています。今回は院生を中心に、中国、韓国、モンゴルからも学生ら23名が参加しました。中には既に中性子やミュオンを利用している若手研究者が、他の手法へのとっかかりとして参加している姿も見られました。
共催であるKEK物構研からはミュオンのビームラインD1(ミュオンスピン緩和測定装置)での演習の他、講義を行いました。

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初日はオリエンテーション、J-PARCの利用に必要な安全教育が行われ、2日目から本格的な講義と実験の実習が始まりました。 講義では、現役の研究者から中性子科学、ミュオン科学の概要と最近の研究について紹介されました。 研究用原子炉、加速器による中性子それぞれの特徴と、装置、研究例の紹介が、 続いてミュオン科学についても基礎知識とミュオンを利用した物性研究について、講義がありました。

2日目の午後からは、実験グループに分かれ、MLFの中性子とミュオンの実験装置にて実習に取り組みました。
このうちの1つ、ミュオンビームラインでは、純銅の中におけるミュオンを振る舞いを調べる実験を行いました。通常、温度を冷やすと原子や分子の動きは静かになりますが、銅に注入した「軽い陽子」としてのミュオンは、極低温(~20ケルビン以下)では温度を下げるほど動きがむしろ速くなる、という現象がおこります。ミュオンが量子的な振る舞いをする証拠を、自らの手でつかむ実験です。

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実習の様子: (左)試料をセットしているところ(右)μSRで測定したデータを解析しているところ

最終日には、グループ毎に一日半の実習内容をまとめ発表する報告会が行われました。どのグループも詳細まで良くまとめられ、中には「今度はユーザーとして戻ってきます。」という学生もいました。
最後に、新井正敏MLFディビジョン長から一人ずつ修了証が手渡されました。

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(左)報告会の様子、(右)修了証を手に校長先生と。


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