msrfit-msrfft
  • µSR時間スペクトル汎用解析ツールmsrfit等のMacOS X版について

     MacOS X (Panther 10.3.x)上で msrfit、および msrfft(TRIUMF の µSR 解析ツール)が利用可能になりました。
     これらにより、Linux 上の解析環境(現在 TRIUMF の Linux マシン上、および KEKMSL の msllnx6,7,8 上にある)をそっくりそのまま OS X 上に実現することが可能です。( KEKMSL のデータも MUD 形式に変換することにより解析できます。) また、2GHz-G5 dual-cpu マシン上では 2.5GHz Pentium-IV の5~6倍の実行速度を得ることができるという結果が出ており、 ネットワークに依存せずに高速の解析を行う環境を整えることが可能です。 ただし、使用に際して以下の「必要な環境」にあるような X-window 環境およびいくつかのライブラリを必要としますので、これらを適宜インストールしておいて下さい。 ( MacOS X のアプリケーションはダイナミックリンクを多用していますので、 実行時に対応するライブラリルーチンがないと動作しない場合があります。)

  • [expand title="MacOS X (Panther 10.3以降)+X11+Developer Tools (Xcode 1.5)"]
    X11 および Developer Tools( Xcode 1.5 註1))は出荷時に未インストールですので、付属の CD-ROM またはハードディスク上 「/アプリケーション/ Installers / Developer Tools」フォルダ中にある Installer( Developer.mpkg )を使ってインストールします。 「簡易インストール」ではなく、「カスタマイズ」ボタンをクリックして Developer Tools Software、gcc 3.3、MacOS X SDK、および X11 SDK 等を確実にインストールすることを推奨します。( X 11 は/アプリケーション/ユーティリティ以下にインストールされますのでご注意ください。)
    [/expand] [expand title="g77, libpgplot, libpng, libreadine"]
    これらのライブラリは Fink project 註2) でサポートされており、その HP からダウンロード/インストールできます。 特に pgplot ( libpgplot )は unstable version ですが今のところ問題なく動作しています。Fink からどのようにダウンロードするかに付いても含め、pgplot のインストールは国立天文台の亀野氏の HP の記事ここに従ってください。(この部分は亀野氏にお世話になりました。)これらはインストール後、default の directrory のままで大丈夫なはずです。( libpng については /usr/lib からシンボリックリンクで /sw/lib に向ける必要が あるかもしれません。)
    [/expand]

  • msrfit
    msrfft
    mudutil

    msrfit は µSR 時間スペクトル汎用解析ツール、msrfft は高速フーリエ変換ツール、mud_util は µSR のデータ形式を変換したり、複数のデータを足し合わせて一つのスペクトルにする等のユーティリティです。いずれも terminal application として動作しますが、X-window の環境下( MacOS X では X11 )でないとグラフィックスが使えないのは Linux 版と同じです。この点も含め、使い方は Linux 版と全く同じ( OS X の default は b シェル)ですので、その点については KEKMSL の HP 中の該当箇所を参照してください。唯一注意すべき箇所としては、pgplot ライブラリーをどうやってインストールしたかにより環境変数 PGPLOT_DIR を適切に設定する必要があります。上記の fink プロジェクトを使った場合には、export PGPLOT_DIR=/sw/lib/pgplot/ としてください。

  • msr_g4.tar.gz
    Mac G4 および G3 用。arch=powerpc としてコンパイルしたもの。
    msr_g5.tar.gz
    Mac G5 用。arch=powerpc64 としてコンパイルしたもの。
    tbl.tar.gz
    msrfit でゼロ磁場、縦磁場スペクトルを解析する際に必要となる久保・鳥谷部関数等の数値テーブル。
    msr-man.pdf
    日本語で書かれたmsrfit/msrfftのマニュアルです。
    pgplot.tar.gz

  • msrfit/msrfftの OS Xへの移植に際し、UBCの J.H. Brewer 氏にソースコードの提供はじめ様々な助力を頂いたことをここに明記し、感謝いたします。