ハドロン:原子核ハドロン研究

ハドロン:原子核ハドロン研究グループでは、J-PARCハドロン実験施設において、主リング加速器(MR)からの大強度陽子ビームで生成されるK中間子、π中間子などの二次粒子ビームやMR加速器からの一次陽子ビームを用いて、ハドロンやその多体系である原子核、とくにストレンジクォークを含む原子核を研究しています。

K1.8ビームラインでは、ストレンジクォークを含むΛ、Ξ粒子などのハイペロンが束縛した原子核であるハイパー核を主に研究対象にしています。K中間子やπ中間子ビームを実験標的に照射し、散乱・放出されるK+中間子を測定する( (K,K+)、(π+,K+)反応と言います)ことによって、ハイパー核を生成・同定します。ビーム及び散乱粒子を精度よく測定する反応分光法やハイパー核から放出されるガンマ線を測定するガンマ線分光法により、ハイパー核の構造やハイペロンに働く相互作用を調べています。2021年度からのMRの長期シャットダウン期間にこれまでの装置に代わり設置された、QQD電磁石で構成される高分解能散乱粒子スペクトロメータS-2S(図1)を用いた(K,K+)反応によるΞハイパー核、(π+,K+)反応によるΛハイパー核の高分解能分光実験が予定されています。

K1.8BRビームラインでは、低運動量のKビームを用いて、K中間子が束縛した新奇なK中間子原子核やK-原子の研究を通じて、K中間子の相互作用を調べています。生成したK中間子原子核からの崩壊粒子をソレノイド電磁石と円筒型ドリフトチェンバーを主体とする大立体角のCDS(Cylindrical Detector System、図2中の水色の測定装置)で測定することにより、K中間子原子核を調べます。また、CDSの大型化計画も進んでいます。

high-pビームラインは、MRからの一次陽子ビームのごく一部を分岐し実験に使うビームラインです。ここでは、30GeV陽子ビームを原子核標的に照射することでφ中間子を原子核中に生成し、その原子核中での電子・陽電子対崩壊を捉えることで、φ中間子の質量を測定します。南部博士により提唱された「カイラル対称性の自発的破れ」によるハドロンの質量獲得機構を基にしたモデルでは、真空中では破れているカイラル対称性が原子核中で部分的に回復し、φ中間子の質量が原子核中で軽くなると予想されます。この実験では、その検証を行っています。また、将来は、high-pビームラインに高運動量の二次粒子を輸送し、チャームクォークを含んだバリオンの分光研究も計画されています。

原子核ハドロン研究グループは、これらのビームラインでのハドロンやハイパー核、K中間子原子核などの研究を行うとともにこれらの研究に必要な測定器、低温液体標的などの開発を行っています。

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最終更新日:2023/03/31

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