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ηメソンと重陽子の結合状態の観測に成功 クォーク・反クォーク対を構成要素とする重陽子の励起状態の発見

複数のクォークが集まってできるハドロンという粒子には、3つのクォークからなるバリオン、クォークと反クォークからなるメソンの2種類があります。通常、原子核を構成する陽子や中性子をつなぎとめる役割を果たすメソンが、原子核の構成要素として表に現れることはありません。東北大学電子光理学研究センター石川貴嗣助教、高エネルギー加速器研究機構の小沢恭一郎准教授らの共同研究チームは、同センターの大強度の高エネルギー光子ビームを重水素標的に照射する実験で、ηメソンと重陽子が強く結合した状態を生成することに成功し、クォーク・反クォーク対であるηメソンと重陽子の結合状態の観測に成功しました(図1)。本研究成果は、新たなクォークの複合系の状態が明らかにされ、クォークが単独では取り出せないという閉じ込め問題に新たな知見を与えます。また、未だよく理解されていない核物質の状態方程式や中性子星の内部構造に対して極めて重要な情報をもたらします。
本研究の結果は、2021 年 11月29日に米国の物理専門誌「Physical Review C (Letters)」にオンライン出版されました。

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