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素粒子原子核研究所 新体制について

大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK) 素粒子原子核研究所の令和3年4月1日からの新たな体制についてお知らせいたします。

 


所長            齊藤 直人

副所長           宇野 彰二
副所長           小松原 健
副所長           花垣 和則

理論センター長       橋本 省二

和光原子核科学センター長  和田 道治


所長挨拶

この度、素粒子原子核研究所の所長を拝命いたしました。所長就任にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

今年は、KEKの設立50 周年という記念するべき年です。この節目にあたる年に重責を担うことになり、身が引き締まる思いです。

素粒子・原子核研究は、加速器科学の発展とともにこの半世紀で飛躍的な進展を遂げ、我々を取り巻く自然の真の姿を明らかにしてきました。KEKの素粒子原子核研究所(素核研)は、研究者の自由な発想に基づく学術研究を推進する大学共同利用機関として、国内はもとより海外の研究者も広く受け入れ、宇宙と物質の起源に迫る研究を推進してきました。加速器を基盤にした素粒子・原子核研究を数々の実験研究プロジェクトと理論研究で広くカバーし、世界中の研究者が集う国際学術研究拠点として、日夜、研究を推進しています。

私は、これからの3年間、先達が成し遂げた実績に立脚し、以下のことに取り組みたいと思います。

現行実験群から成果を創出する。

素核研は、26の国と地域から1,000人を超える研究者が集うBelle II実験を始め、さまざまな規模の実験プロジェクトを推進しています。革新的な発見を目指して、多岐にわたる実験群から着実に成果を創出するために、実験・理論・技術の全ての専門において研究者一人一人の力がいっそう活きるように、研究協力体制をより強固にしたいと考えています。その為に、所外との連携も深めていきたいと思います。

新しい研究提案を奨励し将来計画を策定する。

新発見に至る過程が長期化し、プロジェクトも大規模化の一途を辿っています。新しい研究提案を広く集めて熟議し、将来の研究計画としてまとめて行く必要があります。世界の基礎研究の潮流をつぶさに捉え、コミュニティとの議論を深め、将来計画を策定します。

社会と成果を共有する。

難しく大きな課題が世界規模で存在する中で、学術研究の意義が問われる場面が増えています。東日本大震災や、現在も進行形の新型コロナウィルスの感染拡大など、社会が大きな危機に直面するたびに、すぐには役に立たない基礎研究を続けて良いものか、自問自答しながらも、未知の世界を探究する精神と、新しい発見の悦びは、次世代に引き継ぐべきものと固く信じています。研究成果を広く社会と共有して、学術研究の今日的な意義を、社会に発信していきたいと思います。

どれ一つとっても簡単ではありませんが、共同利用者と国民に「あってよかった」と思ってもらえる研究所を目指して精進したいと思います。

今後とも、皆様のご支援とご指導を賜りたく、お願い申し上げます。

令和3年4月吉日
素粒子原子核研究所長
齊藤 直人

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