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理論センターの野村大輔・博士研究員がミューオンg-2 / EDMに関わる非公式講義をインターネット公開

素粒子原子核研究所・理論センターの野村大輔・博士研究員が4月から、相対論的量子力学とQED(量子電磁気学)をテーマとする非公式講義 (英語) をスタートさせ、YouTubeサイトで公開しています。J-PARCのミューオンg-2/EDM実験の準備や、ミューオニウム(μと電子の束縛状態;水素原子のような”原子状態”)の超微細構造の測定が本格的に進んでいることを受け、同実験グループが依頼して実現しました。

講義は4月から毎月1回 (2時間) ずつ、計12回、KEKつくばキャンパスで行われ、同日のうちにYouTubeの”KEK Muon g-2/EDM Group”のチャンネルに更新されるため、世界中から試聴が可能です。

野村研究員は、ミューオン異常磁気能率 (g-2) の理論計算の分野をリードしている素粒子理論の研究者で、近年はミューオニウムの超微細構造などへも研究の領域を広げており、「この講義の内容は、ミューオンg-2/EDMやミューオニウムの超微細構造を定量的に理解するうえで欠かせないものです。ぜひ多くの学生や研究者の方に聞いて欲しいです」と話しています。

ミューオンg-2/EDM実験グループには、世界7カ国 (日本・韓国・ロシア・カナダ・アメリカ・フランス・チェコ) から99人が参加。ミューオニウムを室温で創り出し、それを高強度レーザーで共鳴乖離、加速することで得られる極冷ミューオンビームを用いて、ミューオンの異常磁気能率 (g-2) 、及び電気双極子能率 (EDM) を精密に測定することを計画しており、2017年11月にミューオンの加速に世界で初めて成功するなど着々と準備を進めています。

実験グループを率いる三部勉准教授は「実験の理論的背景を、大学院レベルの初学者向けに広く周知することで、実験に参画する研究者を増やしたい」と話しています。


KEK Muon g-2/EDM Group on YouTube

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