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【BelleⅡ実験】BEAST装置を測定器本体の中心部に挿入 試験運転に向けた準備が本格化

BelleⅡ実験の試験運転だけで使われるBEAST装置を、測定器本体の中心部に挿入する作業が11月18日、KEKつくばキャンパスの筑波実験棟で行われました。BEAST装置は同日午後2時45分ごろ、BelleⅡ測定器の中心部に無事に挿入され、今後は来年2月の試験運転に向けた準備が本格化することになります。

 

この日は早朝から、KEKのほか、ドイツ電子シンクロトロン(DESY)、マックス・プランク研究所(MPI)、ボン大学、オーストリア・高エネルギー物理学研究所(HEPHY)の研究者およそ20人が、地下4階のクリーンルーム内で、最終試験を終えたBEAST装置を搬出するための準備作業に着手。クレーンで吊り上げるための支持体の取り付けや、配線をまとめる作業を行ったうえで、台車に載せてクリーンルームから運び出し、天井クレーンで吊り上げて30メートルほど移動させました。クレーンで吊り上げられたBEAST装置は、高さ約10メートルの遮蔽コンクリート壁を越え、BelleⅡ測定器の手前のガイドレールまで慎重に運ばれ、レール上を滑らせてBelleⅡの中心部に挿入されました。

中村克朗助教は「大きなマイルストーンとなる作業が順調に進んで何よりです。まだ装置の両側から伸びた配線を取り付ける作業や、本番と同じ冷却装置で行う実地試験が残っており、12月上旬までは忙しい日々が続きます」と話していました。

BEAST装置は、直径約30センチ、長さ約1メートルの円筒形で、内部にはB中間子が崩壊する位置を正確にとらえるためのPXD(ピクセル型検出器)とSVD(シリコンバーテックス検出器)という2種類の半導体センサーの一部に加え、放射線の測定モニターなどを搭載しています。パワーアップしたSuperKEKB加速器の運転により、増大することが予想されるバックグラウンド放射線による半導体センサーの損傷を知り、本番のBelleⅡ実験に備えるのが目的で、来年2月から夏にかけて行われる試験運転時だけに使用されます。

BEAST装置は筑波実験棟で組み立てられ、10月31日から2週間ほどかけて冷却装置を用いたセンサーの最終機能試験が行われていました。

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