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理想的な乱数実現へ -「パリティ対称性」利用が有効-

概要

高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所・理論センター量子基礎論グループの筒井泉特別准教授は、三菱電機株式会社情報技術総合研究所の鶴丸豊広主席技師長、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の佐々木寿彦講師との共同研究において、パリティ(3次元空間の反転に対する)対称性を持つ原子核の崩壊現象から生成される量子乱数のランダム性と秘匿性に、厳密な証明を与えることに世界で初めて成功しました。

 

原子核の崩壊現象を乱数生成のために利用する試みは、以前から(パリティ対称性を考慮しない方式で)進められてきたものですが、今回のパリティ対称性に基づく放射方向の測定を組み込むことにより、信頼性の保証された小型の乱数生成器の実用化が期待できることになります。

なお、この研究成果は、Communications Physics誌に7月1日付でオンライン掲載されました。

(8月4日追記)この研究は日経クロステックの記事で紹介されました。

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論文情報

雑誌名
Communications Physics
タイトル
Secure random number generation from parity symmetric radiations
著者
Toyohiro Tsurumaru, Toshihiko Sasaki & Izumi Tsutsui
DOI
10.1038/s42005-022-00915-1

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