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ヒッグス粒子発見10周年記念イベントを開催

8月29日、つくば国際会議場において、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の素粒子原子核研究所が、対面形式で「ヒッグス粒子発見10周年記念イベント」を開催しました。

万物に質量を与えるヒッグス粒子が、スイス・ジュネーブ近郊の欧州合同原子核研究機構 (CERN) での実験で2012年に発見され、その存在を理論的に予想していた英国のピーター・ヒッグス氏とベルギーのフランソワ・アングレール氏が、翌13年にノーベル物理学賞を受賞しました。

ヒッグス粒子発見の実験グループのひとつであるアトラス(ATLAS)グループに、日本からは14の大学と研究機関から、約150人の研究者・大学院生が参加しています。今回、その発見の発表10周年を記念して、発見に大きく貢献した日本の実験研究者らが記念イベントを行いました。会場には、中学生・高校生・大学生を中心に、小学生から大人までの幅広い世代から約70名の参加がありました。

イベントでは、まずアトラス日本グループ共同代表でKEK素粒子原子核研究所の花垣和則教授が、「ヒッグス粒子発見後の素粒子物理学」について講演をしました。花垣さんは、ヒッグス粒子発見の意義を話すとともに、今年度始まったばかりの実験の様子と、今後の研究の展望を語りました。CERNでは実験装置の性能をあげ、引き続き新粒子の探索が行われています。

講演に続き、CERNとつくばの会場とを結び、普段は見られないCERN内部・実験装置内部・実験遂行の様子を、KEK・東京大・早稲田大・名古屋大・京都大の若手研究者が中継しました。

最後に、会場での交流会では約20人の参加者が列をなし、KEK・東工大・筑波大の研究者と質疑応答を交わしました。鋭い質問もあり、この研究への関心の高さがうかがえました。

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