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Belle II 測定器にびっくり!

現在、Belle II 測定器は保守作業で運転を停止しています。測定器内部まで見ていただけるこの機会に、Belle II 測定器の建設や実験の運営に関わりのある企業の皆様を招いてBelle II 測定器の見学会を行いました。1月26日(木)、27日(金)の2日間に、20社・43名の方々に参加いただきました。

見学の前にセミナーを行い、田中 秀治(しゅうじ)・素粒子原子核研究所准教授がBelle II 実験と検出器について説明。特に企業の皆様からの協力を得て開発が進められた検出器、センサーなどを紹介しました。最後にBelle II 実験プロジェクトマネージャーの後田 裕(うしろだ・ゆたか)教授が「Belle II 測定器は、企業の皆様から提供していただいた技術を集結して完成した装置です。その複雑さ、緻密さを実感していただきたい」と話し、セミナーは終了しました。

その後、参加者は筑波実験棟へバスで移動し、実験期間中にビーム衝突が行われる実験ホール内で、Belle II 測定器を見学。その巨大さを感じていただきました。

さらに地下4階まで降りて実験フロアを見学。データ収集システムや、普段は見ることができない、衝突点付近のビームパイプとバックグラウンドシールドを組み上げたところも見ていただきました。現在、崩壊点検出器のアップグレードに向けて準備を進めています。

参加していただいた方々からは、「検出器に使うパーツなどを届けることはあっても測定器の全容を見たことはなかったので、貴重な機会でした」、「装置の大きさもそうですが、ケーブルの量にびっくりしました。研究者が手作業で配線していることを知り、さらに驚いています」などの感想を頂きました。

 

今回の見学会を皮切りに、今後も企業向けのBelle II 測定器見学を随時実施していきたいと考えています。また、企業研修などに研究者を派遣して出前講義をすることも可能です。Belle II 実験など、素粒子実験に関心のある企業の皆様はipns-pr@ml.post.kek.jp までぜひお問い合わせください。

 


Belle II実験について

Belle II 実験は、Belle II 測定器を用いて加速器のビームの衝突で作り出されるB中間子という粒子の性質を詳しく調べる素粒子実験です。世界27の国と地域から1,100人以上の研究者が参加し、宇宙誕生の謎にまつわる未知の物理法則の解明を目指して進められている国際共同実験です。

 

Belle II 測定器は縦・横・高さが8メートル、総重量1,400トンの巨大な装置です。光速まで加速した電子・陽電子ビームの衝突反応から生まれる様々な素粒子を捉えます。7種類の異なるセンサーによって、様々な素粒子の情報を詳しく測定することができます。


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