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世界から研究者150名 小林・益川理論50周年記念シンポジウムをKEKで開催

2023年2月11日、KEKつくばキャンパス小林ホールにおいて、小林・益川理論の出版から50周年になることを記念したシンポジウムが開催されました。「Accomplishments and mysteries in quark flavor physics (クォーク・フレーバー物理における成果と謎)」と題されたシンポジウムには世界中から150名あまりの研究者が集まって、この50年の進歩と将来について議論しました。

シンポジウムはKEKの山内 正則・KEK機構長によるあいさつで始まりました。山内 正則・KEK機構長は、小林・益川理論を検証することに成功したKEK Bファクトリー・プロジェクトを1990年代から現場で牽引した研究者の一人です。あいさつでは日米で競った2つのBファクトリーをめぐる思い出などが紹介されました。

小林・益川理論は、クォークがその種類(フレーバー)を変える現象のなかに、CP対称性(粒子と反粒子の間の対称性)の破れの機構が組み込まれていることを示しました。それを実験で測る方法、実験で必要となる膨大なイベント数を達成する手法、実験とその解析、関係する理論など、小林・益川理論がきっかけとなって素粒子物理学のなかにクォーク・フレーバー物理と呼ばれる分野が形成され、この50年で大きく発展することになりました。シンポジウムでは、この発展で大きな役割を果たした内外の研究者が招待講演を行い、その道筋を振り返りました。

最後に、シンポジウムに参加した小林 誠・KEK特別栄誉教授から、まとめのあいさつがあり、発見の背景や、KEK Bファクトリーで理論が検証されたことへの感謝の言葉が述べられました。

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