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飯沼裕美客員准教授『湯浅年子賞』銀賞に輝く ミューオン g-2とEDM同時測定へ

素核研の客員准教授で、茨城大学大学院理工学研究科の飯沼裕美さんが、「ミューオン異常磁気能率・電気双極子能率の同時観測法の開発」の業績が認められ、2022年度の「湯浅年子賞」銀賞を受賞しました。湯浅年子賞とは、お茶の水女子大学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)が日仏共同事業として運営する「湯浅年子ラボラトリー(TYL)」において、湯浅年子博士の自然科学およびその関連分野に対する功績を記念して設立したものです。

標準理論を超える新しい物理法則(新物理)の探索を進めるミューオン g-2 / EDM実験は、大強度陽子加速器施設 J-PARCの陽子ビームの特徴を最大限に生かし、新しい実験技術と組み合わせることにより、従来とは異なる研究手法によりミューオンの異常磁気(双極子)能率(g-2)及び電気双極子能率(EDM)の超精密測定を行っています。

飯沼准教授は、実験実現に向けて、ビームラインシステム開発を先導して行ってきました。特に、三次元らせんビーム入射法を自身で発案し、ミューオン異常磁気能率パラメータの同時観測への道を切り開き、実証の見通しを得る成果も出しています。他の実験では実現が難しい同時測定を可能とした業績が高く評価されました。

受賞を受けて、飯沼准教授は、「宇宙の始まりの謎、時間反転対称性の破れの証拠をつかむべく、実験実現に向け全力で取り組みます」とコメントをしています。

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