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【ようこそ素核研へ】Belleグループ宇野健太さん着任インタビュー

2023年6月から、Belleグループに、宇野 健太(うの けんた)さんが助教として着任しました。

素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけ、どのような研究をしてきたのか、また研究や作業などで行き詰った時の気分転換の方法などをお聞きしました。

■素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけは?

高校1年生の時に、ノーベル賞を受賞した小林・益川理論に関するニュース等を見たのが最初のきっかけです。
CP対称性の破れの重要さを説明されてもあまり共感できなかった記憶があります(今振り返ると恥ずかしい)。ただ、これを機に、素粒子物理を勉強してみようかなと思うようになりました。
その後、ヒッグス粒子発見のニュースをきっかけにLHC実験に興味をもち、この実験に参加して新粒子を発見するぞ!と考えるようになりました。

■KEKに来る前はどこでどのような研究をしていましたか?

学生時代は、フランスとスイスの国境に位置する欧州原子核研究所 (CERN)で行われているLHC/ATLAS実験に参加しました。
当時、LHCは重心系エネルギーが大幅に上がるRun2実験が始まっており、新粒子の発見ができるかも?というワクワク感がありました。この貴重な時期にCERNで研究ができたことはラッキーでした。
私はRun2実験で取得した全データを用いて超対称性粒子の探索を行い、その研究結果で博士号を取得しました。上手くいかないことも多々ありましたが、多くの方の支えもあって博士課程を無事修了できました。
特に、東京大学大学院理学系研究科の浅井祥仁教授(現・東京大学素粒子物理国際研究センター センター長)と田中純一教授には、研究だけでなく次のキャリアに関しても多くのサポートしていただき大変お世話になりました。
博士課程修了後、KEKで行われているBelle II実験に参加しました。そこでは、タウ粒子を用いた新粒子探索や粒子識別検出器の性能評価を中心に研究を行ってきました。
また、Belle II実験が運転中ということもあり、KEKで現場作業もしていました。ほとんど新潟大におらず好き勝手な研究を許してくれた新潟大学の早坂圭司教授には大変感謝しています。

■KEKではどんな研究をしていきたいですか?

KEKでは素核研Belleグループに所属し、引き続きBelle II実験に関わっていきます。我々はまだ新粒子の明確な兆候を掴めていませんが、標準模型を超える物理があることは間違いないはずです。
Belle II実験で大量のデータを収集・解析し、未知の粒子が絡む稀な現象を見つけたいと思います。そのために、SuperKEKB加速器グループと密に連携し、実験の運転全体を牽引する役割を担っていくつもりです。
Belle II実験の成功は日本の高エネルギー物理の将来にも重要ですので、一生懸命頑張りたいと思います。

■研究や作業などで行き詰った時などの、気分転換の方法を教えてください

CERNにいた時は同期、 先輩、 後輩とご飯やお酒を飲みに行くのが気分転換になっていました。それに加えて、日本だと野球の観戦やテニスもしています。
特に、野球観戦は応援してるチームがあるので、そのチームが勝っていると気分が良いです(ただ私の応援しているチームは強くない)。シーズン中はほぼ毎日野球をやっているので、研究の息抜きに見る分にはちょうど良いです。

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これからの、素核研での活躍に期待しています!

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