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素核研・安全ワークショップ開催 ~なぜ安全が必要か~

高エネルギー加速器研究機構(KEK)の全ての研究活動において、安全の重要性が強く求められています。一方で、一歩間違えば大きな事故になる事象も起こっています。このような状況を受け、素核研では「安全」の大切さを再認識し、「安全の知識」を会得し、「安全な考え方」を学び、「安全」を自分のこととして捉えることを目的として、2023年12月19日につくばキャンパスにおいてワークショップを開催しました。

 

はじめに、後田 裕(うしろだ ゆたか)素核研・副所長から、素核研で策定する行動規範の理念の一つである「安全」を掲げ、安全を第一に、安全な環境の構築と安全意識の向上への継続的な努力をし、自分たちで安全を守り大切にする文化を醸成することが重要であるという話がありました。今回のワークショップを通じて、そもそも「なぜ安全が必要か」一緒に考える機会にし、課題を共有して安全の意識を高めたいと述べました。

今回のワークショップでは、新潟大学の東瀬 朗(とうせ あきら)氏を招き、大規模施設における安全をどう考えるべきか講演しました。東瀬氏は加速器施設においては、「計画外のダウンタイム(システムや機器が稼働停止している時間)を最小化する」ことをゴールの一つと設定して、計画外のダウンタイムがなぜ起きるのか、その事象の洗い出しを行い安全対策の優先順位を考えることが有用であると述べました。KEKのような大型研究施設の安全を考えた時に、何が特殊なのかを理解しておくことを強調し、「類似の施設が少なく、よその事例をそのまま活用することが難しいこと」「構想から撤去までの期間が長いこと」「一つの施設に関わる人数が多く、世界中から多様な専門性をもった人が関わっている」などを挙げました。また、防護の健全性や既存の安全対策が本当に機能しているのかを確認することや、軽微な事象でも報告して相談できる組織風土を作ることが重要だと指摘しました。

 

ワークショップではハドロン安全委員会の委員長を務める澤田真也教授によるKEK東海キャンパスでの安全活動事例紹介や、つくばキャンパスの入射器棟で発生した火災の事例や安全考察について、加速器研究施設の古川和朗氏が紹介しました。北カウンターホール(CH)安全管理メンバーの青木香苗氏からは北CHに関する現状と安全に関する問題点が指摘されました。幅 淳二(はば じゅんじ)KEK理事はKEKと安全について、時代に即して安全文化も変わっているのでKEKとして次世代に安全の継承ができているか振り返りをしようという問題提起がありました。また、web上で登録可能になったヒヤリハットを皆で共有していきたいという話がありました。

 

最後に齊藤 直人(さいとう なおひと)素核研・所長は、「失敗を共有し、そこから学んだことを継承していく組織作りをしていきたい。今後もこのような機会を設けて、自分の体験と照らし合わせて考えていってほしい。失敗を減らして研究に専念する時間を生み出そう」と述べ、ワークショップを締めくくりました。

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