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SuperKEKB加速器、電子・陽電子衝突運転を再開~Belle II測定器でPhase 3 Run 2最初の衝突事象を観測

Belle II実験は、SuperKEKB加速器で作り出したB中間子などの粒子の性質を詳しく調べ、未解明である宇宙創生のメカニズムを解く鍵となる、新しい物理現象を探索する素粒子物理学実験です。2022年夏から約1年半にわたる運転停止期間中に、加速器や測定器の改修を行い、今年1月29日からビーム運転を再開しています。その後、調整を進め、2月20日(火)22時12分に運転再開後初となる電子・陽電子の衝突事象をBelle II測定器で記録しました。

測定器側の改修としては、今後ますます向上するルミノシティ(衝突性能)や付随して増加するビーム由来のバックグラウンドへの対処として、長期停止期間中に、完全実装した新しいピクセル検出器に入れ替えた崩壊点検出器や改良されたビーム衝突部の真空パイプをBelle II測定器にインストールしたほか、測定器周りの放射線遮へい体増強、データ収集能力の強化などを行いました。

ビーム運転再開後、SuperKEKB加速器メインリングを周回する電子・陽電子両方のビームの量を増やしながら、ビームパイプ内の邪魔なガス分子を低減させてきました。安定な周回軌道を維持しながら、電子ビームと陽電子ビームのタイミングと軸を合わせ、衝突させる調整を行いました。加速器側の準備が整ったことを受け、Belle II測定器の検出器群の電圧を上昇させて、2月20日22時12分に観測を開始。粒子の反応の様子を表示するコンピューター画像「イベントディスプレイ」で多数の粒子が飛び散る反応が確認され、Belle II実験グループは電子・陽電子の衝突により、素粒子反応が起きてハドロンが生成・崩壊する事象を指す、「ハドロン事象」が起きたと判断しました。これと前後して、電子と陽電子が衝突点でぶつかり、そのまま別方向へ跳ね返される反応も観測されています。

Belle II実験グループは衝突運転再開を受けて、物理データの取得をスタートさせました。当面の目標は、Belle実験のデータ量を超えることで、改良された測定能力や解析手法とあわせて、世界最高水準での測定が可能になります。将来的にはBelle実験の50倍のデータ量を蓄積することを目指しています。次第に蓄積される大量のデータを使って素粒子の振る舞いを精密に測定し、標準理論を超える物理現象の探索を進めます。

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