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【ようこそ素核研へ】理論センター 大川 翔平さん着任インタビュー

2023年11月、理論センターに、大川 翔平(おおかわ しょうへい)さんが研究員として着任しました。

素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけ、どのような研究をしてきたのか、また研究や作業などで行き詰った時の気分転換の方法などをお聞きしました。

■素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけは?

高校3年生の時に南部さん、小林さん、益川さんのノーベル賞受賞を知ったことがきっかけです。なんとなく受賞内容を調べてみたら興味を引かれて、素粒子のことをもっとよく知りたいと思うようになりました。

■KEKに来る前はどこでどのような研究をしていましたか?

博士課程では、名古屋大学で暗黒物質の熱生成機構について研究しました。私が大学院に進学する前年にヒッグス粒子が見つかって、最初は電弱対称性の破れの起源に興味をもって勉強していたのですが、気が付いたら暗黒物質生成の研究で学位を取っていました。
学位取得後は、JSPSの若手研究者海外挑戦プログラムで6ヶ月ほどミュンヘン工科大学に滞在したあと、カナダのヴィクトリア大学とバルセロナ大学ICCUBで計5年間研究員として働きました。いずれの大学でも、暗黒物質の模型構築やその検証というのを主な研究テーマにしていました。他には、たまにフレーバー物理に手を出したり、ここ3年くらいはアクシオン物理の理論計算にも取り組んでいます。

■KEKではどんな研究をしていきたいですか?

北野龍一郎さんをはじめとする理論センターの方々が、muTRISTAN という高エネルギーミューオン加速器を提案しています。これは、J-PARC の Muon g-2/EDM 実験のために開発している低エミッタンスのミューオンビームを作る技術を応用して、ミューオンをたくさん集めて、TeVくらいまで加速して衝突させるというアイデアです。これが実現できれば標準模型の検証や新物理の探索に役立ちそうなのですが、このような加速器を作った前例がないので解決すべき課題がいくつもあります。今はこの研究グループに加えてもらって、muTRISTAN が素粒子物理の理解にどのくらい有益かを調べています。

■研究や作業などで行き詰った時などの、気分転換の方法を教えてください

スポーツが全般的に好きなので、休日にスポーツ観戦に行ったりサッカーをしたりしています。

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これからの、素核研での活躍に期待しています!

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