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【ようこそ素核研へ】ニュートリノグループ 永井 義一さん着任インタビュー

2026年4月、ニュートリノグループに、永井  義一(ながい よしかず)さんが准教授として着任しました。

素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけ、どのような研究をしてきたのか、また研究や作業などで行き詰った時の気分転換の方法などをお聞きしました。

■素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけは?

大学4年生のときに、外部から来られたニュートリノ物理の先生が、1年間だけ大学でセミナーの授業を開講される機会があり、その授業を受講しました。そこで「素粒子物理って面白い分野だな」と感じたことが、きっかけだったと思います。その後は、大学院試験の受験先もすぐに素粒子物理の分野に絞りました。今になって考えると少し不思議なのですが、そのセミナーに出会うまでは、素粒子物理に特別な興味を持っていたわけではありませんでした。そう考えると、出会いや機会は本当に大切だなと、あらためて感じます。

■KEKに来る前はどこでどのような研究をしていましたか?

大学院生のときは、FermilabのTevatron加速器で行われていたCDF実験に参加し、ヒッグス粒子の探索を行っていました。当時は、LHC加速器がもうすぐ動き始めるという時期で、「その前にヒッグス粒子の存在の兆候を見つけてやろう」と、必死に研究していたことを覚えています。結局、博士課程を修了するまでにヒッグス粒子を見つけることはできず、ポスドクになってからも同じテーマを続けました。

その後、フランス・マルセイユの研究所に移り、LHCのATLAS実験に参加して、ヒッグス粒子の探索を続けました。ちょうど最初のポスドクの任期中にヒッグス粒子が発見され、それが次の研究テーマを考える良いきっかけになりました。そこから、少し分野を移してニュートリノ物理の研究を始めました。

アメリカのコロラド大学ボルダー校に移ってからは、ニュートリノビームを高精度で理解するための研究に取り組みました。ニュートリノの親粒子となるハドロン生成を精密に測定するために、ガスTPC検出器を製作し、CERNの固定標的実験であるNA61/SHINE実験に設置して、データの取得と解析を行いました。また、NA61/SHINE実験の測定結果を、T2K実験におけるニュートリノビームの精密な理解に生かす研究にも取り組みました。

その後、KEKに来るまでは、ハンガリー・ブダペストにあるELTE大学に所属していました。そこでは、主にT2K実験のためにニュートリノビームを高精度で理解する研究グループを新たに立ち上げ、研究を進めていました。

■KEKではどんな研究をしていきたいですか?

これまで取り組んできたニュートリノビームに関する研究経験をもとに、間もなく始まるHyper-K実験に貢献していきたいと考えています。大強度ニュートリノビームを安定的に供給し、その特性をこれまでにない精度で理解することで、Hyper-Kに期待されているニュートリノ振動を通じたCP対称性の破れの発見や、CP位相の精密測定につなげていきたいです。言うなれば、Hyper-K実験の屋台骨、あるいは基盤をしっかり整えるような貢献ができればと思っています。

同時に、Hyper-K実験のさらに先にあるニュートリノ物理の将来についても考えていきたいです。この分野が今後どのような方向に進んでいくべきなのか、またKEKがニュートリノ物理のホスト研究所として次に何ができるのかは、現時点ではまだまったく自明ではありません。だからこそ、今のうちから何をしておくべきかを整理し、次の研究へとつなげていきたいと考えています。

■研究や何かで行き詰った時などの、気分転換の方法を教えてください

食べることとお酒が好きなので、ちょっと良いものを食べに行ったり、良い食材とお酒を買ってきて、家で相性を試しながら楽しんだりする時間が好きです。少し贅沢な気分に浸れるのがいいですね。

あとは、子どもと一緒に家庭菜園の世話をしたり(まだまだ始めたばかりで素人なのですが、、)公園に遊びに行ったりして過ごす時間も、自分にとって良いリフレッシュになっていると思います。

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これからの、素核研での活躍に期待しています!

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