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【ようこそ素核研へ】ミューオン・中性子グループ 井出 郁央さん着任インタビュー
2026年5月15日
2026年4月、ミューオン・中性子グループに、井出 郁央(いで いくお)さんが研究員として着任しました。
素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけ、どのような研究をしてきたのか、また研究や作業などで行き詰った時の気分転換の方法などをお聞きしました。
■素粒子物理学の世界に興味を持ったきっかけは?
幼少期に「星の町」長野県臼田町で天体観測に親しんだことが、宇宙への関心の原点です。それから、宇宙がどのように始まり、現在の姿に至ったのかという根源的な問いに強く惹かれるようになりました。学部時代には、宇宙線の測定やダークマター探索に関連する研究に携わり、理論的なモデルを実験や観測によってどのように検証するかを考える面白さを知りました。宇宙の謎に対して、精密な測定を通じて迫ることができる点に魅力を感じ、素粒子物理学に関心を持つようになりました。
■KEKに来る前はどこでどのような研究をしていましたか?
KEKに来る前は、名古屋大学の博士課程で、中性子複合核共鳴を用いた時間反転対称性の破れの探索実験 (NOPTREX実験) に向けた偏極La原子核標的の開発研究を行っていました。NOPTREX実験では、高い核偏極度を持つ標的が重要になります。そこで、 私はLaAlO₃結晶にNdイオンを添加し、電子スピンの偏極を原子核へ移す動的核偏極 (DNP) 法を用いて、実験に適した偏極標的の実現を目指しました。この材料では、Ndイオンは偏極を促進する一方で、偏極緩和にも影響を与えるため、結晶育成や中性子回折を含む結晶の品質および物性評価、DNPによる偏極性能測定を通じて、標的としての最適条件とNOPTREX実験への応用可能性を評価してきました。
■KEKではどんな研究をしていきたいですか?
KEKでは、小型中性子源の高度化に向けて、Li 標的に低エネルギー陽子を照射して発生する中性子生成量、すなわち⁷Li(p,n)⁷Be反応の精密測定に取り組みたいと考えています。この反応は、小型中性子源における中性子生成の基礎となるだけでなく、少数多体系の核反応を理解する上でも重要です。精密な実験データを取得し、理論計算との比較を通じて、核反応機構の理解を深めたいと考えています。また、小型中性子源はインフラ診断、材料評価、医療応用など応用先が豊富であり、基礎物理の理解を進めるとともに、社会での活用にもつながる研究を進めていきたいと考えています。
■研究や何かで行き詰った時などの、気分転換の方法を教えてください
まずよく寝るようにしています。考え続けているだけでは視野が狭くなることもあるので、一度しっかり休むことで、 頭の中を整理するようにしています。また、分野に関係なく、いろいろな人と話すことも大切にしています。相手の経験や努力していることを聞くことで刺激を受けたり、 自分の研究とは一見関係のない分野や仕事の話から、思いがけないヒントを得られることがあります。研究を進める上でも、気分転換の上でも、 人と対話することを大事にしています。
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これからの、素核研での活躍に期待しています!




