スイスのジュネーブ近郊にある欧州合同原子核研究機関(CERN)では、世界最大(周長27 km)の粒子加速器LHCを用いて世界最高エネルギーの陽子と陽子を衝突させ誕生直後の宇宙を再現し、その頃の宇宙を支配していた素粒子やその現象を研究する素粒子実験を行っています。LHCの衝突点のひとつに設置されているATLAS検出器を用いたATLAS実験には、KEKを含めた国内外合わせて38か国、約180の研究機関からの約3000人の研究者が参加しています。ATLAS実験では2012年に、物質に質量を与える素粒子である「ヒッグス粒子」(注1)を発見しました。その後もATLAS実験では、ヒッグス粒子の特性を徹底的に検証するとともに、新粒子の探索も行っています。
続きを読む