SuperKEKBプロジェクト開始記念式開催 各国から大きな期待

 

11月18日(金)、KEK小林ホールにおいて「SuperKEKB開始記念式」が開催されました。 この式典は、2014年度本格稼働を目指して現在準備の進められている新しいプロジェクト「SuperKEKB(スーパーケックビー)」のプロジェクト開始を記念して行われたものです。

SuperKEKBは、2008年に小林誠・益川敏英両氏のノーベル物理学賞受賞に貢献したKEK Bファクトリーの40倍の性能向上を目指すもので、測定器も高性能なBelle II(ベルツー)測定器に高度化されます。

式典には、世界17の国と地域から約80名の招待者を迎え、関係者を含め総勢約230名の参加者がありました。 冒頭、鈴木厚人KEK機構長による挨拶が行われました。 引き続いてBelle II 実験代表者のPeter Krizan リュブリャナ大学(スロベニア)教授とBelle II 実験エグゼクティブ・ボード議長の相原博昭東京大学教授の2名よりBelle II 実験とSuperKEKBに関する概要説明が行われました。 相原教授は、SuperKEKBは日本学術会議で示される国家が推進すべきプロジェクトの一つであることを説明しました。

Belle II 実験代表者のPeter Krizan リュブリャナ大学教授による説明
倉持隆雄 文部科学省研究振興局長祝辞

倉持隆雄文部科学省研究振興局長とMichael Procario米国エネルギー省高エネルギー物理学研究施設担当部門長から祝辞があり、SuperKEKBプロジェクト開始に対する期待が寄せられました。 さらに、Rolf-Dieter Heuer 欧州合同原子力研究機関(CERN)所長と米フェルミ国立加速器研究所のPiermaria Oddone所長、Young-Kee Kim副所長からのビデオメッセージも流されました。

また、評論家の立花隆氏からは「KEKBからSuperKEKBに向かう意味」と題して、社会的立場からみたSuperKEKBという視点で話がありました。立花氏は、日本で進められている実験プロジェクトをいくつか紹介した上で「SuperKEKBも時代の根本的転換をはかる結果が期待される重要なプロジェクトの一つ」とSuperKEKBプロジェクトへの期待を語りました。

登壇者一人一人がだるまの目に筆を入れていきました

最後に、SuperKEKBの準備作業が安全かつ順調に行われることを祈願し、登壇者によるだるまの目入れが行われました。 登壇者一人一人が目に筆を入れ、最後に倉持局長が一つの目に仕上げました。<

式典の後には祝賀会が行われ、各国招待者とSuperKEKB関係者、高エネルギー加速器研究機構の職員が一同に会し歓談しました。 2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏はじめ招待者の方々による祝辞があり、中でも磯田文雄 文部科学省高等教育局長は、研究振興局長だった当時SuperKEKBの実施を決断した際のエピソードを振り返り、プロジェクト成功に向けた力強い言葉で関係者を激励しました。

祝賀会での益川敏英氏による祝辞
祝賀会では鏡割りが行われました

SuperKEKB開始記念式は、本来今年4月に開催が予定されていましたが、東日本大震災の影響で延期になっていました。

*)記事公開後、表題を「SuperKEKBプロジェクト開始式開催 各国から大きな期待」から「SuperKEKBプロジェクト開始記念式開催 各国から大きな期待」に変更致しました。
 2011年12月7日22:0

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