KEK-東北大学連携ワークショップを開催

 

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12月20日(火)、21日(水)、東北大学金属材料研究所にて「量子ビームを用いた物質・生命科学の新展開( I )」と題するワークショップが開催されました。KEKは東北大学と2009年に連携協定を締結しており、本ワークショップはこの協定に基づき、東北大学原子分子材料科学高等研究機関(WPI-AIMR)、同大学の理学研究科、金属材料研究所、多元物質科学研究所の主催で行われました。東北大学では、放射光・中性子・ミュオンなどの量子ビーム大型施設を用いた研究が物質科学、生命科学など幅広く活発に行われています。このような研究をさらに発展させるために、大型施設への大学としての積極的な参画を重要視して企画され、72名が参加しました。

ワークショップは、福村裕史 東北大学理学研究科長、下村理KEK物構研所長の趣旨説明より始まりました。「KEK物構研のサイエンスと将来計画」のセッションでは、量子ビームを用いた物質科学、生命科学の研究事例が発表され、将来計画としてERL(エネルギー回収型ライナック)科学と超低速ミュオンが紹介されました。続いて行われた「量子ビームが拓くサイエンス」のセッションでは、生物・医学、新物質・機能性物質、物性・材料、新技術と他分野にわたる講演が行われました。山本雅之教授(東北大学医学部長)による「環境応答機構の結晶構造解析」や、小椋利彦教授(加齢医学研究所)による「物理的力が支配する生命現象」、山下正廣教授(東北大学理学研究科)による「強相関電子系ナノワイヤー金属錯体におけるX線構造解析」、上田実教授(東北大学理学研究科)による「植物生理現象とカリウムイオン動態」など、身近な生命現象や新物質の設計開発に関する講演が行われ、活発な議論、情報交換が持たれました。

最後に、まとめと今後の展開として、小谷元子教授(WPI-AIMR)より量子ビーム科学研究センター(仮称)の立ち上げが提案され、その役割や運営についての意見交換を行い、幕を閉じました。

関連サイト

物質構造科学研究所
【ワークショップ】量子ビームを用いた物質・生命科学の新展開( I )-東北大とKEKの連携を礎として

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2009.2.20 トピックス
KEKと東北大学の連携協力協定の締結について

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