実験と理論の学生交流を深めたBワークショップ
#トピックス
講義の様子12月5日(月)~8日(木)の4日間、福島県の磐梯熱海でBワークショップ2011を開催しました。BワークショップではB中間子に関係する物理を中心とした研究分野の活性化を目的に、実験分野と理論分野の学生による研究発表と、KEKのスタッフをはじめ各大学の教員による講義が行われます。今年で第4回目の開催となりました。
今回の講義は、B中間子の理論、SuperKEKB(スーパーケックビー)加速器、Belle Ⅱ(ベルツー)測定器に関してなど横断的な内容で、実験と理論研究を進める上で不可欠な基礎的要素が盛り込まれたものでした。研究発表では、活発な質疑応答が行われました。夜には、学生同士で研究発表の内容について詳細を説明し合ったり、疑問点をぶつけ更なる議論が行われるなどワークショップならではの密な交流が図られました。
ベストトーク賞の賞品。SuperKEKBの升にBの物理ゆかりの三田一郎氏、益川敏英氏、小林誠氏の3博士のサインが入っています。最終日には優秀な発表を行った学生にベストトーク賞が授与されました。実験分野では「SuperKEKBとバックグラウンドシミュレーション」と題した、KEKB加速器からSuperKEKBへの高度化によって増加するバックグラウンドのシミュレーションを行った中野浩至さん(東北大学博士課程後期一年)が受賞。理論分野では「B中間子のKl+l−崩壊における束縛状態の効果」と題した、超対称性理論等の新しい物理からの影響を受けやすいとされる、B中間子のKl+l−崩壊に関する研究発表を行ったPaul Poschさん(総合研究大学院大学博士課程二年)が受賞しました。中野さんは「発表練習に付き合ってくれた東北大研究室の仲間のお陰です。」と述べました。また、Paul Poschさんは「受賞すると思っていなかったので嬉しいです。これからも研究を頑張りたい。」と述べていました。
物理学研究では、提唱された理論を実験で実証したり、理論では説明できない新たな事象を実験で発見したりと、実験と理論の協力は不可欠です。Bワークショップの開催は、実験と理論の学生が研究の情報交換を行い、議論の中から新たなアイディアを生み出す機会となることから、研究を進める意欲の向上に繋がります。
参加者の集合写真
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